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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第1章 若宮朋佳
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4 女子校という常識

どうぞよろしくお願いします。

 私立泉学院。中学から大学まで女子校だ。

 ここは中高がメインだけど同じ敷地内に短大の校舎も一部ある。

 郊外の方に短大と大学のキャンパスもある。

 伝統ある中堅お嬢様校という感じかな。


 短大と大学が栄養士や食物関係の資格なども取れるんだけれど、私達が中学生の時に日本比較文化学科というのが新しくできて……。

 日本文化……、つまり和食とか工芸品や日本の生活文化を歴史や科学的な観点から学べるという学部らしい。

 さらに、情報学部というパソコンやIT関係の学部が来年度開設される予定なんだ。

 

 女子校なのだが、新しい学部ができたことで、大学の方から男女共学化していくそう。

 特に情報学部の方は都心に近い校舎の方がいいだろうということで、こちらの短大の校舎の方に特別に研究室も作られるとかで……。


 私達が高三の時から、この学び舎に若い男性が一緒に通学することになるらしい。

 私達は決まりきって浸りきっていた、女子校という常識が揺れ動いている真っ最中なのだ。


 H1Bの教室に入り、カバンから教科書を出していると「若宮さん!! 川上先生が呼んでる!」とクラスの子に呼びかけられた。

 そちらを見ると廊下に川上先生がいる。

 わざわざ高校棟に!?


「ありがとう」


 呼んでくれた彼女にお礼を言って、川上先生に向かい合うと「ごきげんよう。若宮」と挨拶された。


「ごきげんよう」


「朝、近藤先生に注意されたって?

 すまんな。伝達ができてなくって」


 私は苦笑する。

 私は唇の色が赤いです。化粧しているわけではありません。注意しないで下さい、って!?

 逆にそんな伝達しないで欲しい……。恥ずかしいわ……。


「いえ、そういうことを学内の先生方が共有しているってことの方がどうかと思いますから……。

 気にしてません」


「先生、久しぶりー!」


 アキが乱入してきた。


「なになに? 愛しの『妹』ちゃんの顔でも見に来たの?」


 川上先生も苦笑いだ。

読んで下さり、ありがとうございます。

アキはちょっと鋭いんです。

なのでわざと『妹』って言ってます。

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