30 今世
この話で完結です!!
最後までありがとうございます。
どうぞよろしくお願いします。
※すみません、完結後に続編が出てきてしまい。
連載を再開して、章立てにしています。ここで第1章が終わる形になります。
私は目を覚ました。
「そうか……、どれも私が望んだこと……なんだ」
小さく呟いた。
そうか、私は天帝にとって、自分を殺せる力を持つ唯一の者で、そして……、愛しているのに触れられない者でもあったのだ。
先生のことを思う。
目の前に、予想だけを頼りに待ち続け探していた私が、願い通りに血の繋がりのない、13歳という子どもの姿で現れたことに気がついた時、どんなに喜びに震えたのだろうと。
最初からわかったわけじゃないだろう。
かもしれないと思って、関わる中で……。
私にだけ特別な……、時々、特別な視線を向けられていると感じる時があって、それは私が先生の大切な誰かに似ているのかな? と思っていた。
成長するに従い、兄に見られていた時の目に似ていると気づいた時に、私は川上先生にはできるだけ関わらないようにしよう……と思った。
それはちょうど中三から高一になる頃で、ちょうど良かったのだけれど……。
学院の先生と生徒という枠組みから、今度こそ踏み外さないように……、という気持ちもあった。
そう自制しようとしてたってことは、私の中にその反対な気持ちもあったってことで……。
「そうか……、今世では兄と妹じゃないから……。いいのか?」
ここは流刑地。
兄と私は前世の罪を償うためにここにいるわけで。
これは罪を償っているのだろうか?
それとも新たな罪を重ねているのだろうか?
私は自分の腕で自分を抱きしめた。
「この苦しみが罰なのか?
あの人を愛して……、そして老いて捨てられることや、あの人が死んだらと思うと、とても怖い……。
これが私の罰になるの?」
先生も、きっと、前世からの望みを叶えて、私を本当に抱いた今も、苦しんでいることだろう。
手に入れたからこそ、失うことへの恐れ……。
もしかしたら、ふたりの前世の罪を償う、本当の罰なのかもしれないな。
私は暗い部屋の中、ベッドから起き出し、机の上を手探りでスマホを取り上げた。
光が眩しい。
川上先生の本当のlineブロックを外した。
『これは罰なのか?
それとも新たな罪?』
震える指で送信した。
すぐに返信が来た。
『罰でも罪でもない
手を取り合い、ともに生きよう
生きる喜びと辛さをともに知ろう
愛している』
私はその言葉がなぜだかうれしくて泣きながら微笑んだ。
この話を見つけ、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
ハッピーエンドとも、バッドエンドとも、人によって感じ方が違う作品になったかなと思います。
私はハッピーエンドなのかな!? と思っています。
これからふたりは、一緒にいるためにたくさん嘘をついていかなくてはいけないでしょうが、ふたりで生きていくと決めたのなら、それは罰ではなく試練と感じられるのでしょう。
そして、最後まで、老いるまでふたりで手を取り合っていることができたら、彼らの勝ちという気もします。
人の裏の気持ちというか、無意識に抑えていた暗い気持ちが洩れてしまうところ。
特に朋佳の真理先生への感情。突き放した醒めた目で見ているようで、実はとても気にして、嫉妬していたんだということに、気がついた瞬間。朋佳が先生の返答に喜びを感じてしまうところとか。
彼女が抱えていた負の感情に思いがけず気がついて、より好きになったというか……。私にとっても印象に残る作品になりました。現実世界だと先生は逮捕される案件ですが。
先生(天帝)の方が焦っちゃったんですよね。後3年、何とか見守ることができてれば、先生の考えていたシナリオ通りだったのかもしれない。
でも、ちゃんとものにしておかないと、他の男子に取られちゃいそうで。
朋佳が何か距離を取り始めたこと。
学院の大学が一部分共学になり、男子大学生が学院に通学してくる状況が考えられること。
とどめに、朋佳がけっこうモテてることを目のあたりにして……。
そして、これから20代後半に突入する自分(天帝にしてみれば未知の老化の初めを感じる)と、少女から女性として美しく成長していく時期の朋佳。
余裕あるはずだったのに、あれって。
何としても朋佳を、今、自分のものにしとかないとって。
でも、最後は先生の方が先に本心を言えたというか、何度も読み返せる、残る言葉で伝えることができたのかな。
朋佳もうれしかったと伝えられると思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
印象に残りましたら、ブックマークや、感想や評価を、どうぞよろしくお願いします。
※完結後、しばらくしたら続きが出てきまして、連載が再開しています。
どうぞよろしくお願いします。




