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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第1章 若宮朋佳
20/76

20 お姉さんの思惑

どうぞよろしくお願いします。

 マユミとこの間のバスケの試合のことなど話して、田中先生も真理先生も面白がってくれた。


「英開の男子! なかなかやるなー。

 俺が高校の時はそんな度胸なかったよ」


 私の隣の運転中の田中先生も笑ってる。


「良さそうな子達じゃない!」


 マユミがインスタの画面を真理先生に見せてるのかな、ふたりでスマホを見てキャッキャしてる。


「この男子がねー、トモのこと気に入ってたよね!

 インスタやってないの残念がってたよ」


「line教えてあげればいいじゃない!」


 真理先生がとんでもないことを言った。


「えっ? よく知らない人に、line教えませんよ」


「あら、川上先生、私ともグループlineから繋がってるし、自然科学部の知らない子もいたでしょう。

 そんなに気にするものでもないと思うけどな。

 これは先生じゃなく、お姉さんとしての助言かもね」


 そうなのだ。理科室の予定を確認するために真理先生にもグループlineに入ってもらった。


 真理先生はバリバリプライベートと一緒のlineのアイコンらしい……。

 たぶん、2台持ちなんてお金持ちじゃなきゃ、それとも何かやばいこと考えてる人じゃないとしないのかも。


 田中先生が「俺もそこに入れてくれよ」と言い、「いいですよ」と真理先生が自分のスマホをささっと操作した。


「今、招待しましたから、後で見て下さい」


「ありがとう」


 ……田中先生と真理先生は交換済みなのかい?


 私のびっくりした顔に真理先生が「理科教科のグループlineがあるのよ」と言った。


 ああ、学校のパソコンとかじゃなく?

 各自のスマホでか。

 だから、川上先生は2台持ちしてるのか……。

 プライベートと分けたいから、誰にも教えてない……。

 なんだか、思い出してしまい、気持がどよんとした。

 車窓はもうだいぶ山の中だ。

 ぼーっと流れていく緑を見ていた。


 どよんとした気持に引っ張られ、前世のことを思い出していた。


 私は『姫』で……、閉じ込められていた。


 強い光が降り注ぎ、水と空気が調整されている。

 時々、光は淡くなり休眠時間になる。

 私はただ、そこに存在するだけの『物』だった。

 者じゃなく、物。

 天帝てんていの愛玩物。


 時々、水替えがあり、水を抜いた時に空間に女官が入ってきて、濡れて身体に張り付く服や装飾品を替えるのだ。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

田中先生と真理先生、違う意味で若宮の興味が他へ広がることを喜んでる。

田中先生は若宮に恋人ができて、なんとなーく川上先生が諦めてくれればと。

真理先生は若宮に恋人ができて、川上先生に相手にされなくなればいいと思っている。

全30話で完結です。後半に入りました!

最後までお付き合いどうぞよろしくお願いします。

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