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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第7章 若宮朋佳
159/197

15 ステージ!

どうぞよろしくお願いします。

 日曜日の午後、ソウヤとスナオくんが来校してマユミと合流した。

 アキと私はクラスのシフトで、お化け屋敷で待ち受ける。ふふふ、怖がらせてやる~。

 ステージ型のお化け屋敷なので、整理券方式にしたんだよね。

 でも、ステージ型とは外に明記してない。

 教室の外にいる人からしてみると、けっこう静かで(だってイヤホンで音聞いてもらうし)、時々ちょっとした悲鳴や物音が聞こえるくらいだもんね。謎のお化け屋敷。でも、出てくる人は「怖かったー」と言っているんだもん。


 ソウヤくんが入ってくるなり「うお、何、このお化け屋敷!?」と叫んでいるのが聞こえた。

 ふふふ、怖がらせちゃるぞー。

 イヤホン装着しとる。ステージ袖の衝立の隙間からマユミ達の場所を確認してアキと微笑む。


 すべてのお客様にイヤホンやヘッドフォンの装着ができ、電気が消されて真っ暗になる。

 暗い中ステージにお菊さんがスタンバイ。

 私達も音量を押さえたイヤホンをしている。

 そうしないとタイミングが取れないから。


 お菊さんの姿だけぼんやり見えるようにライトが灯される。

『いちまーい、にまーい……』皿が触れ合う音に合わせてお菊さんが皿を数える。

『……きゅうまーい。ああ、いちまい、足りない……』

『ザシュッ!!』という刀で斬撃の音。これ聴く度に首のあたりがすうすうする。

 大道具係が黒い布をステージ上にばっと持ち上げるように広げた。

 ちょうど立つお菊さんの首だけ、空中に浮かんでいるみたいに。よく見れば、すぐわかる仕掛けだけどね。音で恐怖心を煽っているし、お菊さんが手打ちにされるという話は知られているから想像しちゃうよね。

 マユミが小さく声を上げて、首を竦めたように動いたのがわかった。

 それから、ステージを見上げている。

 

 ステージの明かりが消された。また真っ暗になる。

 イヤホンの音は後ろから迫る足音。


 カーミラ役の子はドレスの上から黒いマントフードのようなものをすっぽり被って、自分でランタン型の明かりを持ってお客の背後から登場。

 うん、歩数や時間も完璧!

 リハーサル、頑張ったもんね!

 

 ステージに立ち、客の方を向いて……。

 雷の音に合わせてストロボ2発!!

 

 私とアキは目を手で覆って守る。次が出番だから、目が眩んじゃわないようにね。

 ステージではカーミラがマントを後ろに落とした。

 さっきのお菊さんと同じぼんやりした光の中、カーミラの白いドレスの前が血で汚れているのが見える。絵具だけど、ね。


『私は吸血鬼カーミラ。あなたの血を頂くわ』


 カーミラ役の子がさっとドレスのスカートを手で広げるようにしてから身を翻し、その直後に暗転。

 何か吸いだすような音が首元の近くで聞こえる。この音、苦労したんだ。

 なんか『チューッ』って音だとコミカルな感じになっちゃうし、動物(化け物?)が噛みついて、『じゅるじゅるー』っていうのは怖すぎるしやり過ぎ。吸血鬼じゃなくてゾンビになっちゃう。

 

 その間の感じになるようにけっこう試行錯誤したんだよね。


読んで下さり、ありがとうございます。

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