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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第7章 若宮朋佳
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12 いけないもの!?

どうぞよろしくお願いします

 紗栄先生と田中先生に見張られて、川上先生も学院で、私に、必要以上に関わるのは控えるようにしているみたいだ。

 でも、夜のlineや電話が毎日ある。

 言葉が甘かったり……、泣き言のような感じだったり。

 ……なんで私がフォローしてんだろ!?



 文化祭が近づいてきた。

 学院全体で、(せわ)しない感じ。クラブとクラスと係が(いそが)しい人は飛び回ってる。

 自然科学部の方がかなり順調に事前準備を進めることができていて、文芸部も同じ。

 なので、自然科学部の方はさおりん、図書室の文芸部の展示はかなちゃんを責任者にして進めてもらうことができた。

 おかげで高二のクラスの出し物に意識を集中することができた。

 高三は食品関係の模擬店と決まっているから、企画から自由に考えられるのはこの年度までだ。


 前に音響好きな子が提案してくれた聞かせるバーチャルリアリティみたいなの。

 目隠しするとすごくリアルなんだけど、それじゃ、ただじっと聞くだけになっちゃうね……となって。

 視覚効果で暗い中で視覚を引きつけるような舞台をしてみたらどうだろうとなった。

 音は全部耳に直接だから、周囲の他の音は遮断されてるに近い。

 それに視覚と触覚をちょい足したらという……。

 目隠ししてじっと座っているよりは、満足感があるかな? という話になった。

 わかりやすいのは『恐怖』だよね。

 ドキドキして周囲に気を配れなくなるし、触覚を仕掛けるのもやりやすそうだし。

 ほら、肝試しで冷たいのを押し合てるとか!?

 子供会でやった! という子が提案してくれて、内容は『お化け屋敷』と決まった。


 登場するおばけも音やセリフがはっきりしてるのがいいよね、となり、お菊さんと雪女はすぐ決まった。

 デモの音源にすぐ背後に化け物が立っていて、まるで首元に噛みついてくるんじゃないかっていう迫力のものがあったので、それを使えば、吸血鬼に噛みつかれるとかできそうとなり……。女性の吸血鬼ならカーミラ? となった。

 もうひとりくらい……。


「花子さんは?

 小学生も多く来るでしょ。

 花子さんもノックの音とか、やり取りのセリフもあったよね?」


 私が提案すると「それ、面白そうだね!」と受け入れられて、お菊さん、吸血鬼、雪女、花子さんとメンバー(?)は決まった。


 まあ、私が言い出しっぺなので、そして髪型も「花子っぽい?」と言われ、花子さんをメインでやることになった。ひとりじゃ無理なので、ダブルキャスト方式。(役によってはもっと増やしたけど)

 高一の時の占い師役のシフトのやり方が役に立った。


 典ちゃんが衣装担当で、張り切っている。

 暗い中で着るからそこまで細かく作らなくていいのだと話していた。

 ただ、お菊さんは武家屋敷の女中だから、本物に近い感じに見えるように本物の着物を使うって。

 髪は日舞を習っている子が前髪が長い子なら日本髪っぽく結うことができると言ってくれ、何とかなりそう。

 カーミラは貸衣装屋の処分品を安く手に入れることできた。

 雪女は典ちゃんが楽しそうに衣装づくりしていて、黒髪ロングのウィッグを持っている子がキャストに入ってくれて、使わせてもらえることになった。コスプレが趣味なんだって。それで体格が似ているのがアキで、アキも雪女のキャストに!

 私の花子さんの白いブラウスはしまむらで。赤いひだスカートは典ちゃんが作ってくれて、釣り紐の部分をつけた。

 身につけてみたら、見た子に笑われる。


「うーん? 

 ちびまる子っぽい」


 確かに、白いブラウスに赤いひだスカートって、ちびまる子ちゃん!?

 

「なんか、ねこ娘にも見えるかも?」

「ああ! もっと小学生感を出さないと!」

「でも、小学生感を出すともっとちびまる子寄りになるんじゃ!?」

「リコーダー持たせたい!」


 いろいろ言われて……。とりあえずランドセルを背負ってみることになる。

 リコーダーって?

 花子さん、そんな設定ないよね!?

 アキが「マユミ、赤のランドセルだったな。持ってるかも」と教えてくれた。


 私は自然科学部の活動の時にマユミに「ランドセルまだ持ってる?」と聞いた。


「あるけど、何するの?」


「あるんだー! 良かった、貸して!

 アキにマユミのランドセルは赤だったって聞いて!」


 私はうちのクラスはお化け屋敷で私は『花子さん』になる予定なんだけど、衣装だけだとどうも小学生感が足りない。なのでランドセルはどうかという話になったことなど話した。


 次の日、マユミが赤のランドセルを持って来てくれた。

 衣装を着て背負ったら、みんなが不思議な顔になった。


「なんだろう? なんか脳がバグる」

「うん?

 ちょっといけないものを見ているような?」

「やっぱり、リコーダー持たせたい」


 私は苦笑して「何? いけないものって!」と叫んだ。




 アキが自然科学部の活動の方に参加できた日(文化祭でバスケの試合もあるからなかなかこっちには来れないんだけど)、早めに準備を終えることができて、活動を少し早めに終わらせて、各クラスの方の活動に行くとなった。他の学年の子達はすぐ戻って行き、私とアキとマユミはゆっくりとそれを見送り鍵を準備室に戻しに行くことになっていた。


「少し話してもいい?」


 マユミが私とアキだけになった時に言った。

 私達は椅子に座り、ゆっくり話をすることにした。

 他の子達が理科室から出て行ったのに、鍵が戻って来ないのを不審に思ったらしい紗栄先生が、ちょこっと理科準備室とのドアから覗いて、私達が話をしている姿を見てそっとドアを閉めた。


読んで下さり、ありがとうございます。

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