5 友情について
どうぞよろしくお願いします。
川上先生に使いっぱしりさせられてたのか!?
私は並んだペットボトルを見た。
ここは紗栄先生にお礼を言おう。私はミルクティーを選んで「ありがとうございます」と言った。
そして気づく。
このミルクティー、あの時、大会後に車で送ってもらった時に川上先生に買ってもらった物と同じだと。もしや指定して買いに行かせた!?
マユミはカフェオレを選んだ。
残りのストレートティーを紗栄先生が取り、最後のコーヒーを川上先生が受け取った。
「横川、川上って呼び合う、友達に戻れたの?」
間が気になった私は紗栄先生に聞いた。
なんか川上先生には話し掛けたくなくて。
紗栄先生は頷いてくれた。
「ええ、元々付き合ったと言ってもほとんど何もなかったのよ。
私の方が告白して付き合いたいって言って、その時は付き合ってるからって、みんなの前で抱きついたりしてたけど……。結局、川上の方からは何も……。だから……」
そうか、そういう身体の関係とかはなかったんだ。なんかちょっとほっとしまい、顔が緩んでしまいそうになり、ぐっと心を引き締める。
「そうなんだ……。
そういうもの?
その……、身体の関係がなければ、異性とも友人になれる?」
私は何か言わないとと焦ってそう聞いてしまっていた。
いや、その、あの、相原くんやソウヤくんのことがあってだね……。
このまま、lineどうしようかと気になってたところもあって……。
「ああ」と川上先生。
「いいえ」と紗栄先生。
ふたりは顔を見合わせ苦笑した。
どっちなんだ!?
紗栄先生が言った。
「ケースバイケース、かな?
私達の場合は何もなくて、元々、川上は私を友達としか見ていなかった。
私も目が覚めたっていうか……。
時間はかかったけど、ね。
川上は……、篠原のこと、許せるの?」
「許すも許さないも、もう関係ない」
篠原……。たぶんあの高校生の時の写真の彼女の名前だろう。
私は聞きたくなってしまったけど、唇を閉じて123と数字を心の中で数えた。
「答えにくいこと答えてくれてありがとうございます。
じゃ、自然科学部の活動をします!
理科室使わせて下さい!」
自然に言えてたかな?
理科室に移動し、テーブルに模造紙を広げる。
マユミと一緒にコラボ第2弾のことを説明する文章を考えてきてある。
「マユミ、下書き頼む!」と私はマユミに頼んだ。
マユミが頷いて、鉛筆で薄く写し始めた。
「マユミの字ってきれいだよね。読みやすい文字」
私は本心から褒めた。書いてくれたからじゃないよ。本当に読みやすい字だと思う。
「褒めてくれてありがとう」とマユミが言ってくれた。
うん、なんかマユミが自己肯定感高い感じがうれしい。ここのところ落ち込んでるみたいだったし。
「うん、私、すごく早く書き留めようとして、次が汚いんだよね。ゆっくり書く時もその癖が出ちゃったりしてさ。
マユミの字をなぞるから!」
私はマユミが写すのを見ていたけど、川上先生が紙を何枚か持ってこちらに来る。
なんだ!?
あ、合宿の写真か!
模造紙に貼りたいから頼んでたんだった!
私は川上先生が紙を渡してくれないから寄り添って覗き込むしかなく……。
でも写真を見たら、楽しかったことを思い出して笑顔になった。
紗栄先生も、来て覗き込んで、集合写真で苦笑してる。
確かに、今とは別人に見える、かも。
紗栄先生は恥ずかしそうにマユミの方に行って、「もう、誰っ? よね」と言いながら笑った。
作業を続け、マユミの下描きの上を私がなぞる。うまく書けた。消しゴムは今度中学生にでもかけてもらおう。
「そろそろ行くか! 昼食もどこかで食べるだろ?」と川上先生に声を掛けられて、もうそんな時間と慌てて時計を見た。12時からだから……。今11時。まあ、昼ご飯を食べる時間を考えればこんなもんか。
読んで下さり、ありがとうございます。




