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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第6章 伊藤真由美
139/157

11 距離

どうぞよろしくお願いします。

 トモは川上先生と紗栄先生と帰ることになり、私はソウヤとスナオくんと帰ることにした。

 アキはバスケ部のバスだもんね。スナオくん、残念。


 私が制服だから、コンビニで飲み物を買って公園で話すことになる。なんだか、今日はコンビニと縁があるなあ。


「ソウヤ、篠原雅さんって?」


「あー、母方の従姉の姉ちゃん。

 雰囲気は、そうトモちゃんに似てる。

 たぶん高校の時、川上先生を恋人って紹介してもらった。

 でも、大学入る前に別れたみたいで、ちゃんと聞いていないんだけど、次に結婚を考えてると紹介されたのが違う人だったから。もう結婚しているよ」


「川上先生が振ったの?」


 私が聞くとソウヤが首を振った。


「わかんないけど……。雅姉ちゃんの方かもしんない」


 スナオくんは何も言わなかった。


「そういえばスナオくんは川上先生と知り合いなの?

 文化祭の後、会ったことあるの?」


「ああ、えっと。アキといる時に出会ったことがあって、その時に……」


「わー、デート中に学校の先生に出会っちゃうなんてっ!

 運、悪いね」


「抜かせっ!

 もう認められてるからいいんだよっ!」


 スナオくんとソウヤがじゃれてる……。なんかいいなあ。

 私がニマニマふたりを見ているとソウヤが言う。


「何、マユミ、かわいいんだけど」


 私はつい聞いてしまった。


「英開でも指定校推薦で狙ってそうな生徒の動向を探り合うみたいなことあるの?」


 ソウヤとスナオくんは顔を見合わせた。

 スナオくんが考えながら言う。


「……それはあるよ。

 でも、探り合うって言うより、お互いに宣言して堂々と勝負みたいなことが多いかな」


「そうだな。志望校がそこなら本試験の前にワンチャンあるって感じ?

 学年で足の引っ張り合いみたいなことがあった年度もあるみたいだけど、俺らの代はそこまでって感じかな……。スプ女は何かあるの?」


 ソウヤの言葉に私は、今のクラスで一緒に行動しているミホにトモとアキの動向を探るようにお願いされてしまい、困っていることを話した。


「わー、推薦狙いの子達って。

 自分が知りたいだけなのに対象を広げてみんなって強調するなんて。

 なんか、陰湿だなー」


「うーん、わからなくはないけど、マユミちゃん巻き込まれて大変だね。

 そういう人とは離れられるなら離れた方がいい。

 後で何言われるか。

 それに、アキも若宮さんも後でそれを知ったら、嫌な気持ちになるかもね」


「でも、ミホと離れちゃうと。クラスで一緒にいる子が……」


 ソウヤが苦笑した。


「お互い違う利用価値でくっついているのね。

 それは……、友達って言えるの?

 できれば、マユミから離れた方がいいと俺も思う」


「私、ぼっちになっちゃう」


 ソウヤとスナオくんが困った顔で見合ってから、スナオくんが言った。


「アキと若宮さんに正直に、その友達だと思っているそのミホさん? とやらからスパイみたいなことを頼まれて嫌だと思っていること。でも今のクラスでは行動を一緒にしている友達だから困っているって話してみたら?」


「うーん、トモにはね。ちょっと言ったことでわかっちゃったみたいで。

 今日もそのミホ、一緒に来たいって言われてて。

 ソウヤのことも大学の情報を交換したいから紹介しろって言われてて……。

 トモとアキにうまく言えなかったんだけど、気づいてくれて。トモがミホに断ってくれたの。

 それで、ミホが……。トモが性格悪いとか、私を自分のもののように執着してるとか、利用してるとかいろいろ言ってるみたいで。学院でも変な噂になっちゃって」


「あー、それで!

 なんかスプ女のバスケ部や応援の生徒達の反応がビミョーだったんだ!

 なんか遠巻きにされてるような!?」


 ソウヤが思い出したように言った。


「……そうだね。アキとトモにちゃんと言って……。

 ミホと距離を取る方法を考えてみる」


「文化祭行くけど、他の子に連絡先を聞かれても教えないよ」


 ソウヤが言ってくれる。


「ありがとう。

 そうだよね。それが普通だよね。トモはふたりと繋がってないもんね」


「あー、あのトモちゃんはちょっと極端過ぎ。

 まあ、あれだけかわいいと、何か嫌な目に合ったことがあって、用心してるのかもしれないけどさ」


読んで下さり、ありがとうございます。

マユミはトモが川上先生とlineの承認攻防を繰り広げてたこととか、その後の真理先生の事件も知らないのでね。

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