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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第6章 伊藤真由美
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5 なりたいもの

どうぞよろしくお願いします。

 アキがゆっくりと言った。


「うん……、いろいろ自分のしたいことを考えて。

 それで、心理士っていうの、カウンセラーの方がイメージしやすいかな。

 何か、生きづらいなって思っている人の心を軽くする仕事って良いなって。

 正式名称は臨床心理士」


 紗栄先生が頷いた。


「心理士かぁ。確か、大学院まで行かないといけないよ」


「うん、でも職場的にはいろいろなところに行ける。

 児童相談所とか、スクールカウンセラーとか、会社の産業カウンセラーなんて働き方もできる」


 スクールカウンセラー?

 泉学院にも曜日でいるよね?


「麻岡も泉学院に戻ってくるつもりなのか?」


 田中先生が苦笑する。

 紗栄先生が「麻岡も?」と聞き返した。

 アキが笑って答える。


「トモは国語の先生。後、図書の司書の先生にもなりたいんだって。

 就職先として、泉学院は選択肢のひとつだね」


 紗栄先生も苦笑した。


「あー、なるほど。

 で、伊藤さんは泉学院の管理栄養士課程か。

 みんな、志望している進路に進めるといいわね」


「うん、だから紗栄先生、勉強でわからないところがあったら教えてね!

 英語得意なんでしょ?」


 アキが言った。


「そうなの!?

 それは心強い! ね、マユミ!」とトモが笑って私を見た。

 紗栄先生は微笑んで「まあ、英語は今でも勉強してるし、いいわよ」と言ってくれた。

 でも、それに私は入っているの……。

 トモが私の腕を引っ張って言った。


「私達、定期テスト対策を見てもらいたいな!」


「そうね、推薦を考えているなら、そっちも重要よね。

 伊藤さんも聞きにおいで」


「ありがとうございます


 私の声に意外そうな響きが滲んだ。

 アキだけが何か『ん?』という顔をしたけれど、田中先生に向き直ると言った。


「じゃ、帰ります。

 ありがとうございました! さようなら!」


「おう気をつけて帰れよ」

「またね、さよなら!」


 先生達の声に送られて廊下に出ると、もう薄暗く、シーンとしている。

 私はちょっとため息をついた。

 アキもトモも泉学院に戻ってくることを考えているのか?


 そんなにこの学院が好きなの?

 うーん、ちょっと私にはよくわからない。

 確かに卒業までいれば6年間。

 大切な年代を過ごした場所だけど……。

 

「心理学となると……、教友大学が有名?」


 トモがアキに話し掛けている。


「うーん、教友も帝慶も有名な教授がいるかな。学部として昔からあるのは教友」


「そうかー、教友なら指定校推薦あるよね」


「うん、枠が2かな。でも受けても確実じゃないし。チャンスが増えるくらいな感じかな。

 推薦で受けても落ちることあるしね」


「厳しいよね」


「うん、ほんとに。

 来年の今頃、どうなってるんだろうね、私達」


読んで下さり、ありがとうございます。

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