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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第6章 伊藤真由美
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3 文化祭に向けて

どうぞよろしくお願いします。

 ソウヤが穏やかに言う。


「アキちゃんの不安が移った?

 俺はさ、自分が行くかもしれない大学をマユミが知ってたら、不安じゃないかと思って誘ったところもあって……。

 逆効果だったら、ごめん」


 ソウヤはけっこう賑やかというか、お調子者みたいな感じの印象を与えるけど、本当はとてもやさしい。

 誠実だし、けっこう真面目。そこの部分を私やスナオくんには見せてくれる。そこが好き。


「ううん。それはうれしい。

 ソウヤが私のことを考えて、思ってくれているのは伝わるよ。うれしい」


「……そっか。

 じゃあ、ここからふたりでデートしよ。

 どこ行きたい?」


「うーん……」


 全然思いつかない。


「じゃあ……、ここからなら近いから、上野行こう!

 ちょうど気になる美術展やってて。

 印象派のさ、フランス以外の国の画家の作品で印象派の影響っていうか、そういう視点でね」


「フランス以外の?

 モネ、マネとか以外の?」


「そー!

 影響が見られる日本人画家の作品とか、アメリカの画家の作品とか観られるの」


「へー」


 よくわかんないけど、ソウヤが興味があるものなら一緒に見てみたい。

 ソウヤが好きというものは、美しくて、でも私には思いもつかないもので。


「楽しみ!」



 

 夏休みの終わりの方はソウヤのゲームの甲子園とやらでなかなか会えなかった。

 ソウヤのチームは地区大会の予定は突破したけど、本選で負けちゃって、残念だった。


 夏休みが終わり、二学期が始まる。

 そろそろ進路について、みんな具体的な話をするようになった。

 文化祭もあるし……。

 トモとアキとは違うクラスなのは残念。

 でも、自然科学部の展示では一緒に活動できるのはうれしい。

 合宿も、まあ、ちょっとしたトラブルはあったけど、まあ、楽しかったし。


 このクラスになってから仲良くしているミホが言った。


「若宮さんって外部受験だよね?

 どこ狙いなの?」


「うーん、聖治大を先生に薦められてるとか?」


「……推薦も出すのかな?」


「推薦?」


「うん、指定校推薦。

 聖治大は推薦枠がある」


「そこまでは聞いてない」


 あ、トモのこと言い過ぎたかな?


「じゃあ、聞いといて」


「え?」


「聖治大の推薦枠2なの。

 若宮さんが希望しているなら、残り1ってことだし」


 なんか気の進まないことを頼まれてしまった。

 すごく聞きにくい。どう聞いたらいいんだ?


 放課後になり、クラブ活動で中学棟の理科室へ行く。

 すっかり見違えた紗栄先生が出迎えてくれた。


 紗栄先生、夏休み明けの再デビューなんて高校生達から言われてるけど、本当にその通りだ。


 合宿の以前の面影っていうの?

 全然ない。

 髪はセミロングで少し茶色がかってふわふわしてる。

 痩せ気味だったのがちょっとふっくらというか、ちょうどいい感じ。健康的な感じがする。

 肌を白く見せる化粧もやめてナチュラルメイクって感じ。

 たぶんトモが見た写真の高校生がそのまま成長してたらという姿が、今の紗栄先生なんだろう。


読んで下さり、ありがとうございます。

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