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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第5章 若宮朋佳
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26 将来の話

どうぞよろしくお願いします。

 昼食後、ロビーの自販機で飲み物を買って話をする。


「帝慶大は私に合っていないって?」


「ああ、雰囲気かな」


「……雰囲気で大学を選ぶの?」


 私は首を傾げた。


「泉学院じゃだめなのか?」


「……学院的に外部受験して欲しいんじゃないの?

 担任の島先生からはオープンキャンパスとか行くように言われてるよ。

 勧められたのは望徳大と聖治大だけど。文学部とか?」


「何か勉強したいことがあるの?」


「図書館司書とか興味ある。

 資格取っても、仕事としては枠が少ないだろうとは言われたけど」


「教職と一緒に取る奴、いたよ。

 教職と一緒なら、司書教諭っていう仕事もある」


「学校に先生として就職して、司書、図書室運営に関わるということ?」


「ああ、授業を持ちながらというケースも、専任というケースもある」


「教職……、先生ってことか」


「朋佳、向いてると思うよ」


「……若宮。もう若宮って呼んで」


 そう、もうちゃんと切り替えて!

 教職かぁ……。そうすると、国語が現実的か。


「実習は泉学院に来ればいいし。就職だってうちに来ればいい」


 私はまじまじと川上先生を見た。


「なんか……、それって……。

 ストーカーの逆?」


「逆?」


「あれ? つけ回す方じゃなくて、そばに囲い込もうとするのって、なんか言い方あったっけ?」


 その時、エントランスに田中先生とアキが入ってきた。

 私は手を挙げて「アキ!」と呼んだ。


 ふたりはこちらに来て座る。

 川上先生がふたりをねぎらうような声掛けをして、飲み物の希望を聞いて自販機の方へ行った。

 私は田中先生とアキを交互に見ながら「お疲れ様でした。紗栄先生、大丈夫だった?」と聞いた。


「ああ、落ち着いていた。

 まあ、反省して、この先どうするかってことになるだろう」


 田中先生がほっとしたように言った。

 アキは私を見て「帝と何話してたの?」と聞いてきた。

 

「……服とか靴とか洗って干したりしてから、大学の話とか聞いて、ここのレストランで昼食して、そろそろみんな帰って来るかとここでお茶してた」


「ふ~ん……」


「何?」


「何も言ってないじゃん。

 紗栄先生、大丈夫だと思うな。きっと。

 私は……、紗栄先生がこれから自分らしく生きようとする姿見たいな。

 だから……、学院、やめないで欲しいって言った。

 どうするかは紗栄先生次第だけどね」


 川上先生に失恋したことになって……、そばにいるのに吹っ切れるものなのだろうか?


「紗栄先生、ダイエット? 食事制限やめて健康になれば全然大丈夫だと思うな。

 中高ってバスケ部だったんだって。川上先生もでしょ?」


「え? そうなの?」


 あ、だから、バスケ部の試合を見に行ったり、してたのか!?


「まあ、大学の話なら、高校の部活の話にはならないか!」


 アキが笑って、私も頷く。


「そうだね。大学の……、私の大学選びの話とか……。

 教職を取ったらどうかと言われたよ」


「国語の先生なら、なんか想像できる」


 川上先生がペットボトルを持って戻って来た。


「ああ、うん。

 図書館司書さんもいいなって思ってて、それを言ったら教職を取って、司書教諭って職種もあるとかで」


「なるほどね……」と田中先生がペットボトルを受け取りながら川上先生を見た。


「何が?」


 川上先生がアキにペットボトルを渡しながら言う。


「トモを泉学院の職員にしようとしてるの?」


「司書取るなら教諭も取れってアドバイスはした。

 そのほうが就職先が広がるだろ」


「トモ!

 泉学院じゃない学校で実習したら楽しいかもよ!」


「それいいね!

 私、泉学院しか知らないから、他の学校って興味ある!」


 アキと田中先生が笑った。


 その時、エントランスに森林公園組が入ってきたので、私達は出迎えた。

 田中先生がロビーでみんなに紗栄先生は落ち着いたけれど東京へ帰ったこと、学院や紗栄先生の御家族には連絡がついているので大丈夫であることを伝える。


読んで下さり、ありがとうございます。

大学名は適当です。けっこう考えるの楽しい。

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