表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第5章 若宮朋佳
121/159

23 やり直せる

どうぞよろしくお願いします。

 化粧っ気のない顔で紗栄先生が話し続ける。


「私はここにいるべきではない。

 生徒達の合宿を、壊しかねないことをしてしまい、申し訳ありませんでした。

 帰ったら、学院とも話をして……。

 やめるにしろ、続けるにしろ、きちんと話をしますので」


 田中先生は頷いた。


「わかりました。駅まで送りましょう。

 荷物をまとめておいて下さい。送迎を頼んできます」


 そう言って部屋を出て行く。

 私は気になっていたことを聞いた。


「真理先生とは友人だったのですか?」


「友人になった、とでも言うかな。

 彼女とは共通の友人を介して本当に、たまたま出会ったの。

 その時、泉学院で理科助手をしているって聞いて、川上……のことを知れるかと、私から友人にならないかと声を掛けた。

 川上のことを相談されて、実は高校、大学と一緒だったのを教えたのも私から。

 彼女から若宮さん、あなたのことは聞いてた。

 写真を見て、篠原になんて似ているんだろうと……。

 真理に、川上の性癖というか、好きになる女性の容姿のこと、昔の写真を渡して伝えたりもしたわ……」


「それでファイルに写真が……」


「ファイル?」


 私は苦笑する。


「真理先生、私にその写真を見せてきたの。

 川上先生は女の敵だ! みたいなこと言ってきて」


「ふふっ、何?

 彼女、学院をやめさせられたのよね?」


 川上先生が言った。


「ああ、勤務態度に問題ありで契約更新しないことになって、そこで、トラブルを起こしてまあ、年度を待たずに辞めさせられた」


「そう……」


 紗栄先生は寂しげに笑った。


「私、彼女のことを陰で笑ってた。

 篠原に似てないと恋愛対象にすらならないし、相手にされてないのにって……」


 真理先生も紗栄先生も、川上先生が好きになって、ちょっとくらい問題があってもいいわってくらい好きで、努力して……。

 なのに、うまくいかなくて空回りして……、最終的に……。

 私は前世の女官達を思い出した。

 天人である兄『天帝』へ恋焦がれ、同じく天人である私には化け物を見るような目で見てきた。

 性別が違うだけで、対象への思いは変わるのだろうか。

 私が男だったら……、兄である天帝は私をさっさと殺していたかもな。

 女だから、妹だから……、あんなことになったわけで……。


「紗栄先生は、真理先生とは違う。

 真理先生は……、犯罪を犯した。犯そうとした、か。

 共犯者も引き込んで、トモを狙って、傷つけて、トモにも川上先生にも身体や心にその後の平穏を奪う、傷を残そうとした。

 紗栄先生はそこまでじゃない。

 違うと思う。紗栄先生なら、ここから新しくやり直せると思う」


 アキが真剣な顔で紗栄先生を見つめている。

 紗栄先生は微笑んで頷いた。


「ありがとう、麻岡さん」

読んで下さり、ありがとうございます。

アキは相原がトモを好きだったことを知っていたので、付き合い始めは少々葛藤がありました。でも、そこから、時間を重ねて、恋人になったので。

それで、紗栄先生が川上先生を吹っ切ることはできるはず、と励ましたくなったようです。


息子の卒業式&謝恩会があり、午後の投稿はお休みします。

どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ