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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第5章 若宮朋佳
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21 カオス

どうぞよろしくお願いします。

 とぼとぼと歩く紗栄先生と私。後ろに点々と水の跡……。

 川上先生とアキが私達を励ますようにちょっと能天気なことを話し掛けてきて、深刻そうな表情で田中先生が電話をしながら歩くという……。

 なんかカオスだ。

 私はふふっと笑ってしまった。

 紗栄先生がピクッとしてから、私を見た。


「何が楽しいのよ」


「だって、この状況、一体なんだろうって。

 カオスだなって、そう思ったら、もう、おかしくて……!」


 紗栄先生もそう言われて、改めて周囲を見て、笑った。


「そうね。カオスだわ……」


 その時、電話を終えた田中先生が「ホテルから防水シートを持って迎えの車が来てくれるそうだ」と教えてくれる。


「防水シート……」と紗栄先生がくり返すから、私はさらに笑っちゃった。


 駐車場では運転手さんがバスタオルを出して迎えてくれ、私と紗栄先生はありがたく借りた。


「池に落ちるとは災難でしたね」


 私達は曖昧に笑うしかなかった。


 迎えに来た大きめの車、大きめの防水シートを敷いた座席に私と紗栄先生と川上先生が座って、前の席にアキと田中先生が座る。

 アキと田中先生が何か相談してる。

 

 ホテルに無事着いて、もうたくさんお礼を言って下りる。

 うん、もう服から水は垂れてないけど、靴はかなり微妙……。

 ホテルのスタッフがサンダルを用意してくれて、足が濡れてる三人はそこで靴と靴下を脱いでサンダルに履き替えた。

 なんか、ホテル、慣れてない?

 池に落ちた人、前にもいたのかな?


 田中先生が4階に向かいながら言った。


「横川先生の部屋の風呂に、横川先生と若宮は入るように。

 麻岡、若宮の荷物、わかるか?」


 アキが頷いて、私を見た。


「うん、荷物みんなカバンにまとまってる。チャック開いてるかも。

 あ、これ、カードキーね」


「わかった、トモのカバンとりあえず持ってくる」


「お願いします」


 田中先生が川上先生に言った。

 

「自分の部屋で風呂に入り着替えてくれ。

 そして、学院の方に顧問として連絡を入れ、報告を」


 川上先生が嫌そうな表情で、でも頷いた。

 それはちゃんと仕事して下さい……。


「若宮、悪いな。

 横川先生とシャワーと風呂、うまく使ってくれ」


 田中先生に言われて、私は頷いたんだけど、「先に若宮がこっちのシャワーを使っても」と川上先生が口を挟んで来るが、却下される。


「さっき、麻岡と相談したんだが、女性は三人で動いてもらう」


 あ、さっきの相談?

 確かに小さいお風呂ふたつなのに濡れてるのは3人いるからね。

 トラブル当事者同士とはいえ、女性同士で同じ風呂を使う方が、いいよね!?


 川上先生が頷いた。

 大部屋の外でアキが私の荷物を持ち抱いてくるのを待って、それから紗栄先生のツインに入る。

 田中先生も一応一緒に入った。

 川上先生だけ自分達のツインへ入って行った。

読んで下さり、ありがとうございます。

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