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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第5章 若宮朋佳
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8 散策の楽しみ

どうぞよろしくお願いします。

 散策をのんびり楽しむ。涼しくていい感じ。


「今日の天気は良さそうですかね?」とアキが田中先生と話してる。夜の天気ね。星の観察に適してるといいんだけど。

 かなちゃんとさおりんは、あちこち見ては「先輩、実がなってる木がある!」とか「ぎゃー、虫がいた!」とか報告してくる。

 私はそれの受け答えをしながら、近くの木の葉をすりすりっとつまんで指を擦り、匂いを嗅いだ。


「いい匂いするんですか? それ?」とかなちゃんに聞かれた。


「うーん、いい匂いとは限らない。

 でも、思いがけず、甘い匂いがしたり、香辛料みたいな匂いの時もあって、面白いよ」


 そうそう、けっこういろいろな匂いというか香りというか、面白いんだ。


「ほら、この木の葉、ピリッとするよ」と小さめの綺麗な明るい緑の葉のついた細い木を指差した。


 田中先生が言った。


「これは山椒では?」


「え、本物の香辛料の木!?」


「……でも、山だとかぶれるものもあるだろうから、むやみに触るのはよせ」


 田中先生がすまんなという感じで言った。

 まあ、確かに。私は頷いて、それからはなるべく触らないようにした。


 少し行くと川の音がする……。


「わー、川だ! なんかきれいだね」


 アキが小さな土手のようになっているところに登り、見下ろして言った。私達もプチ土手に登ってみる。

 川を見下ろす感じになる。石の川原だな。山の中の細めの川って感じ。

 アキとさおりんが川を見下ろして、うーんと伸びをした。確かに、電車とバス、そのままランチと座っていること多かった午前中だったもんな。


「下に下りてみたい!」


 さおりんの言葉に川原へ下りられる場所を探す。

 斜めに下りられる場所を見つけ、下りていると「川上!? 川上先生!?」と田中先生の呆れたような声が聞こえた。


 川上先生が軽やかに下りて来てた。

「用事は済んだのか?」と田中先生。


「夜の移動について詳しいことを聞くことができた。展望台の様子もわかったよ」


 川上先生にアキが言う。


「紗栄先生、待ってるんじゃないの?」


「あー、もうずっとはりつかれてる身にもなってみろよ」


 川上先生のうんざりしたような声。本音が漏れた?

 そのぼそっと言った言葉に「「ストーカー!?」」とかなちゃんとさおりんが声を揃えて言った。


「え? 誰が誰の?

 川上先生がトモの? それとも、紗栄先生が川上先生の?」


 アキが面白そうに言った。

 かなちゃんとさおりんが私を守るように前に出ると「このストーカーめ!」「私達のとも先輩に近づくなっ!」と川上先生を牽制するような……。


「な、なんだよ」


 川上先生の怪訝そうな表情にちょっと、すっとした。さっきのイライラ、うん、忘れられたかも。

 私はかなちゃんとさおりんと手を握って歩き出す。

 いい後輩がいて、私はうれしい!


 川原の石を見た川上先生が「お!?」と小石を拾い上げ、そして言った。


「ここ、水晶がありそうだぞ」


 アキが「や、石拾い!? やってみたかったの!」と言い、さおりんも「フィールドワークの時の!?」と川原の石を見出した。

 確かに面白いんだよ。石拾い。


 そっか、アキはバスケの試合でいなかったし、さおりんもお家の旅行とかでフィールドワーク参加してなかった。

読んで下さり、ありがとうございます。

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