8 散策の楽しみ
どうぞよろしくお願いします。
散策をのんびり楽しむ。涼しくていい感じ。
「今日の天気は良さそうですかね?」とアキが田中先生と話してる。夜の天気ね。星の観察に適してるといいんだけど。
かなちゃんとさおりんは、あちこち見ては「先輩、実がなってる木がある!」とか「ぎゃー、虫がいた!」とか報告してくる。
私はそれの受け答えをしながら、近くの木の葉をすりすりっとつまんで指を擦り、匂いを嗅いだ。
「いい匂いするんですか? それ?」とかなちゃんに聞かれた。
「うーん、いい匂いとは限らない。
でも、思いがけず、甘い匂いがしたり、香辛料みたいな匂いの時もあって、面白いよ」
そうそう、けっこういろいろな匂いというか香りというか、面白いんだ。
「ほら、この木の葉、ピリッとするよ」と小さめの綺麗な明るい緑の葉のついた細い木を指差した。
田中先生が言った。
「これは山椒では?」
「え、本物の香辛料の木!?」
「……でも、山だとかぶれるものもあるだろうから、むやみに触るのはよせ」
田中先生がすまんなという感じで言った。
まあ、確かに。私は頷いて、それからはなるべく触らないようにした。
少し行くと川の音がする……。
「わー、川だ! なんかきれいだね」
アキが小さな土手のようになっているところに登り、見下ろして言った。私達もプチ土手に登ってみる。
川を見下ろす感じになる。石の川原だな。山の中の細めの川って感じ。
アキとさおりんが川を見下ろして、うーんと伸びをした。確かに、電車とバス、そのままランチと座っていること多かった午前中だったもんな。
「下に下りてみたい!」
さおりんの言葉に川原へ下りられる場所を探す。
斜めに下りられる場所を見つけ、下りていると「川上!? 川上先生!?」と田中先生の呆れたような声が聞こえた。
川上先生が軽やかに下りて来てた。
「用事は済んだのか?」と田中先生。
「夜の移動について詳しいことを聞くことができた。展望台の様子もわかったよ」
川上先生にアキが言う。
「紗栄先生、待ってるんじゃないの?」
「あー、もうずっとはりつかれてる身にもなってみろよ」
川上先生のうんざりしたような声。本音が漏れた?
そのぼそっと言った言葉に「「ストーカー!?」」とかなちゃんとさおりんが声を揃えて言った。
「え? 誰が誰の?
川上先生がトモの? それとも、紗栄先生が川上先生の?」
アキが面白そうに言った。
かなちゃんとさおりんが私を守るように前に出ると「このストーカーめ!」「私達のとも先輩に近づくなっ!」と川上先生を牽制するような……。
「な、なんだよ」
川上先生の怪訝そうな表情にちょっと、すっとした。さっきのイライラ、うん、忘れられたかも。
私はかなちゃんとさおりんと手を握って歩き出す。
いい後輩がいて、私はうれしい!
川原の石を見た川上先生が「お!?」と小石を拾い上げ、そして言った。
「ここ、水晶がありそうだぞ」
アキが「や、石拾い!? やってみたかったの!」と言い、さおりんも「フィールドワークの時の!?」と川原の石を見出した。
確かに面白いんだよ。石拾い。
そっか、アキはバスケの試合でいなかったし、さおりんもお家の旅行とかでフィールドワーク参加してなかった。
読んで下さり、ありがとうございます。




