10 車の中で
どうぞよろしくお願いします。
学院の地下の駐車場に移動した私達は方面別に分乗することになった。
「田中先生はA駅の方でしたよね」
川上先生が言うと、マユミが手を挙げた。
「はーい、私、A駅です。真理ちゃんもそうだよね!」
真理先生がはっとして川上先生を見て言った。
「えっと……、その、私、ちょっと寄りたいところがありまして……」
「この雨です。真っ直ぐ帰宅された方が、今日は安全ですよ」
「……はい」
ゆかり部長もA駅から二駅先ってことで田中先生の車に乗せてもらうことになった。
川上先生の車には私と自然科学部の部長が……。
自然科学部の部長が思いついたように言った。
「田中先生! 今度、自然科学部のフィールドワークするんですけど、その時、車出して下さいよ!」
川上先生の車の中。後ろの席に自然科学部の部長とふたりでゆったり座らせてもらって、らくちん。
部長はさくら部長と呼ばれていたので聞いてみたら、野田桜子さんというお名前なんだそう。素敵な名前。
父以外の車に乗るって、時々タクシーくらいしかないから、なんか新鮮……。
しかも、家の車より断然いい車だってことが私にでもわかる。
さくら部長が「先生、前に話してたよね! 実家に大きな車があるって!」と話し出す。
「前の合宿の時に! でも、部員が多くて結局バスを頼みましたけど。
今回のフィールドワークくらいなら荷物も少ないし、先生が話していた大きな車出してもらって、田中先生も車出してくれれば行けそうじゃないですか!?
トモちゃん、文芸部って何人?」
「4人です」
高三のゆかり部長、高一の私、中三のさおりん、中二のかなちゃん。
自然科学部は9人なのだそう。
全員参加なら生徒13人で先生2人……、いや真理先生も来るだろう。
「全員参加なら16人ですね?」
「ん? ひとり多くない?」
「真理先生も来るでしょ?」
川上先生の頭がびくっと動いたのが横目に見えた。
さくら部長がああーという感じで頷く。
「そうね、真理ちゃん来るよね、きっと。
まあ具体的な人数確認してからの話ね!」
「野田はどこで降ろせばいい?
道がわかれば家まで行ってもいいが……」
川上先生の言葉にさくら部長はスマホを見る。
「C駅の駅前のイトーヨーカドーで降ろして下さい。母が車で来ているそうです」
読んで下さり、ありがとうございます。
さくら部長が降りたら、とうとう車の中でふたりっきり!?
ここまで駆け足投稿してきました。
残りの20話は毎日ゆっくり、1~2話投稿で行きます!
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これからもどうぞよろしくお願いします。




