1 今世の私
前作『転生先で前世の初恋の彼……』が完結した後、次は甘々な恋愛物を……と思っていたのに、出来上がったら、ちょっとというか……、かなり怖い恋愛物になってしまいました。なぜ!?
1話がこれくらいの長さで、30話で完結までノートの下書きはできてます。
最初は連続投稿する予定ですが、途中から、残りはゆっくり投稿していく予定です。
どうぞよろしくお願いします。
私には前世の記憶がある。
ここではない世界の『姫』だった。
なんてこと言うと『頭大丈夫!?』と言われそうだから、誰にも言わんけど。
自分でもそう思う。
だから、私は今世の生活を楽しんでいる。
地球という惑星がこの世界でここは、その中の日本という小さな島国だ。
四季があり、自然豊かで……。
でも私が今生きているこの国の首都である東京は、街の中にちょっと残されたか、作られた自然という感じだけどね。
前世のあの世界の、あの生活よりはマシかな?
私はベランダのプランターに種を植えながら思う。
前に植えた柚子の種からは細いなりに柚子の木が育っている。
でもなかなか花が咲いたり実がついたりまでにはなっていない。
こうやって土に触れたり、その時の天候の空気の匂いがする空気を吸ったり、なにしろ、この重力っていう、身体を動かす時の動かしてる感ってのが素晴らしい。
指を切れば血が出る。頭をぶつければ痛い。
病気になれば身体に辛い症状が出る。
そして、ひどい病気や大怪我となれば……、死ぬ。
食べ物だってそう。
いろいろな種類があり、味があり、栄養も様々で、考えて食べないといけない。
光を浴びているだけで生きていられた前世とは大違いだ。
「朋佳!! 早くしないと遅れるわよ!」
母の声が、ベランダのガラス戸をちょっと開ける音の後に聞こえた。
「はーい!」
私は少し小さめの声で返事をし、今埋めたぶどうの種を思った。
ぶどうってどこまで大きくなる木なんだろう。
いつか大きくなる木を育ててみたい、種から。
でも、今世ではそこまで長生きはできなそうだ。
私はプランターの前で立ち上がり、柚子の縊れのあるかわいい葉を指でつまんですりすりして、指の匂いを嗅ぐ。
うん、いい香り!
冬になったら、みかんの種も植えてみようかな?
読んで下さり、ありがとうございます。
全30話で完結予定です。
舞台は現実世界なのですが、前世が異世界で朋佳にしてみたら、今世が異世界。
そして異世界の前世の出来事がかなり関わってくるため、恋愛で異世界ジャンルにしてみました。
どうぞよろしくお願いします。




