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【トラウマ女神のやり直し!〜隷属の女神の伝説 王国編〜】♡♡♡僕は、女神最強加護の権能で世界の浄化をやり直すため、TSして過去と向き合う冒険の旅に出ます♡♡♡  作者: トンブタ
第11章 癒しの力

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250-11-29_癒しの力

 彼女の感情が、より強く感じられるようになってきた。僕の視点が、彼女本人になってきたようだ。どうやら、彼女の意識と同調したらしい。そして、これから自分に起こる出来事には気持ちを向けないようにし、目を閉じて、楽しかったことを思い出そうとした。


 何かあったかな……?


 そして、フッと思い出が頭をよぎる。


 ……小さい頃、友達と二人で山菜取りに山に入った。子どもだけで行っちゃいけないって言われてたけど、沢山取れたら、きっと褒められる。そう思って、夢中で山菜を探した。


 そう言えば、あの時、友達とはぐれちゃったんだ。道にも迷って怖くて泣いてた。大きな木の根っこで蹲っていると、お父さんが直ぐに見つけてくれて……。


 お父さんが来てくれて、とても嬉しかった。お父さんの背中、大きくて、温かい……。優しいお父さん……。


 なのに、何で? 


 そうだ……私が、みんなの糧になるんだった……。私は、女だからお金になるんだって、お父さんがそう言ってた……。


 その時、激痛が走るっ! 


「うううっ!」


 違うっ! 私じゃないっ! 


 そして、身体の上に男が覆い被さっているようだ。でも、それが分からなくなるほど力一杯奥歯を食いしばる!


 口の中で……血の匂いがする……。


「フェッ、フェッ、フェッ!」


 耳につく嫌な声。 


 他に……他に思い出は……。


 あっ! お母さん!


 ……でも、お母さんは、私が子どもの時に死んじゃった。その後、新しいお母さんが家に来て、突然、沢山の弟妹ができた。私は一番のお姉さんだ。始めは嬉しかったけど、赤ちゃんは泣いてばっかりだし子守りが辛くなってきた。お腹が空いてもあんまり食べるものがない。小麦が高くてパンも焼けない。お父さんの仕事もダメになって、家にお金が無いってお父さんが怒ってる。


「家族を助けてくれ」


 突然、お父さんに言われた。


 どういう意味……? 


 そんなの分かってる。だって、前にも村に女の子を買いに来た人がいたから。


 私、売られるんだね……。


 心配しなくても、私だけじゃないらしい。それに、貴族の家に買われれば、お手伝いさんになれるかもしれないって村役の人が言った。そうしたら、ご飯はお腹いっぱい食べられるんだって……。


 でも、違った。


「あなた。わたくしの妻となったのですよ。ウィ~フェッフェッフェッ!」


 その後のことは、あまり記憶に残っていない。ただ、胸とお腹に、火であぶられたような痛みが残り、いつまでも消えなかった。でも、身体がどうなったのかなんて興味ない。


 もう、私の心は神様のところに行って死んだんだ……。だから、そのうち身体も死ぬよ……。


 イメージはまだ続く。


 んんっ。目が覚めたのかな? 


 頭に霞がかかっているように、ぼんやりとしていて、やけにリラックスしている。


 あれから随分と経ったような気がするけど……。でも、やっと、身体も死ぬことができたみたい……こんなに気持ちが楽だから……。


 そう思ったけど、段々、意識が冴えてきた。


 あれ? 私、どうなって……。それに、ここは何処だろう? みんなもいる……でも、身体に力が入らないし、起き上がれない。


 そして、また、眠くなって、頭がぼんやりとする……。


 しばらくしてまた目が覚めた。


 ん? 眠っていたの? 


 そして、誰かが部屋にやってきた。子どもの声だ……。


 薄目を開ける。


 回復って言ってる? このまま死なせてほしいのに、こんな身体、回復したって私じゃないのに……。


 それに、眠くて目も開けたくない。


「レナトゥス!」


 何だろう? 今の声? 


 あれ……何だか、身体が温もってきた。んん? ふんわりと温かい風が身体に吹いてくる。どうなってるの……?


 嘘っ!? なになに? か、身体が浮いてるみたいに軽い? ど、どういうこと? どんどんどんどん高く登っちゃうっ! 


 目を開けてみると、緑色の小さな光の粒が私を取り囲んでいる。


 どうなってるの? えっ、光? 今度は何? 金色の光だ。その光が大きく広がってきて……。


 うわぁっ! ま、眩しいっ! 光に、つ、包まれるーーーーっ!


 いつの間にか目を閉じていた。でも、目の前に、誰かの気配を感じて目を開ける。


 白い服。女の子……? 銀色の髪に青い瞳……美しい人だ……。あれ? 首輪をしてる? 何でだろう? 


 あぁっ、抱きしめてくれた!


「辛かったですね……よく、頑張りましたね……」


 ううう~? 何で何で~? どうしたの私……? 涙が出ちゃうよ~。


 うううう~……うううう~……め、女神様ぁ~~~~。


 えっ、私、女神様って言った? 私、死にたかったのに……泣きたくなんて無かったのに……。


「あなたの辛い記憶を、私にも分けてください……」


 うううう~、うううう~、あ、温かいよ〜……。


「私は、あなたを守護しています。もう……誰も、あなたを、苦しめることはできません」


 め、女神様ぁ~~~~。うううう~~~~。


「さぁ、あなたの身体をご覧なさい。あなたは、とても強くなりました。傷なんてどこにもありません……」


あぁ、女神様が笑ってる……。


「……もう、悪夢から逃げる必要はないのです。あなたを、あなたの心を取り戻しなさい……」


 私の身体……? ほ、本当だ、傷が無くなってる!


「……あなたは、美しく、決して汚されてなどいません。あなたの中に予期せず宿った小さな魂は、あなたを苦しめる事など望んではいないのです。そして、その魂は既に輪廻へと還りました。しかし、心を砕く必要はありません。いつの日かその魂が転生する時、彼は、祝福の中で世界に迎えられることでしょう。ですから、自らを責めてはなりません。私があなたを愛しているように、あなたは、あなたを赦し、そして、あなたを……愛しなさい」


 うううっ……私……自分のこと……赦してもいいの? ううう……女神様ぁぁぁ……。わ、私には分かってたんだ、妊娠した事。だから、もう私ごと終わらせようとした……。うううっ……でも、女神様が……全部引き取ってくれた……ううう〜〜〜。いいの? 私……生きてもいいの? 


 女神様が、そう言ってくれた。


 あぁ、涙が溢れて止まらない。


 生きていてもいいんだ、私!


 今、どうしようもなく自分の事を抱きしめたい。


 うううっ……うううっ……うううううっ……。


 肩を抱いて、それからしばらく泣き続けた。泣いて泣いて、沢山泣いた。すると、心が落ち着いてきた。


 そして……。


 あぁ、でも、何だか、私、もの凄く腹が立ってきた! そうだ! 私を一度殺したあいつだけは、赦せないっ! あの男! 何が何でも、絶対の絶対に!


 赦せなぁぁぁーーーーいっ!!!


 ーーーー。

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に励みになります。


重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

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