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【トラウマ女神のやり直し!〜隷属の女神の伝説 王国編〜】♡♡♡僕は、女神最強加護の権能で世界の浄化をやり直すため、TSして過去と向き合う冒険の旅に出ます♡♡♡  作者: トンブタ
第9章 不審な魔石

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174-9-1_ギフト

 手で涙を拭い、前を向く。


「あれ? アクアディアさん?」


「ええ、ここから先は、私が引き継ぎますわね」


 彼女は、優しそうな笑みを浮かべた。


「水の精霊の真の姿とも会えたようね。イニシエーション、どうだった?」


「はい。とても、何て言うか、貴重な経験でした……」


 アクアディアさんに、最初の洞窟の話から、最後の頭が真っ白になった体験、そして、水の精霊との邂逅まで、たくさん話してしまった。彼女は、全部知っている話なのに、楽しそうに聞いてくれた。


「でも、本当に、頑張ったわ。エリアさん、一皮剥けて、少し、垢抜けたって感じね。フフッ。では、ギフトの話をしましょうか……」


 アクアディアはそう言って、一つ目のギフトについて話をした。


「……ギフトの一つ、アクアセラ―なんだけど、さっき、あなたも体験しましたけれど、実は、禊の池の権能のことよ」


「禊の池、ですか?」


 磐座に行く前に、禊を行った池のことだ。


「そう。エリアさんも驚いたでしょ? あなたが、あの池で禊を行った後、あなたそっくりの、と言いますか、あなたと同じ人物が現れては、また、水に還ったのを」


「え、ええ。とても驚きました……」


 そうだ。あの時は驚きすぎて、早く池から上がろうとしたんだ……。


「でも、あれは、精霊様が私の姿をして現れたのではと……」


「そうね。確かに、三人目に現れたあなたには、ちょっといたずらしちゃいましたけど。フフフッ」


 いたずら? イニシエーション中だったんですけど……。


「ごめんなさいね。でも、あの行為には、特に意味など無いのです。ただ、あなたの身体が憶えている記憶を再現すると、自然とその様になったのよ。きっと、心の方にも強く残っている経験なのでしょうね」


 どういうことですかぁ~。もぅ~、恥ずかしかったのにぃ~。あの行為を見せられたから、きっとそうだと思って、磐座の雫を、直接、私の中に入れようとしたのにぃ~。意味など無かっただなんて……。


 ……今さらいいけど。


 でも、アクアディアさんの言っている意味が良く分かんない。身体が憶えている記憶って、何の事だろう?


「身体が、記憶してるんですか?」


「そうね。厳密に言えば、身体の中の水が記憶しているのよ。実は、水は、膨大な量の情報を記憶出来るのです。こうした事実が、人間の知るところとなるには、まだずっと先のことでしょけど。まぁ、それはそれとして……」


 アクアディアは、禊の池の特別な力を使うことによって、水の特性であるあらゆるものを記憶する性質を、とても便利なことに活用出来ると言った。


「……つまり、あの池は、水の精霊の特別な力を秘めた場所なので、禊の池に物を浸せば、その物を記憶して、それを再現できるという訳なの。万能の貯蔵庫ってところよ。もちろん、無機物だけではなくて、有機物だって再現できるわ。特に、有機物にはそれ自体に水を含んでいるから、有機物を再現するときには、それが持つ記憶も元に戻すことができる。さっき、あなたの身体で再現したようにね。ただし、魂だけは記憶も再現もできないのだけれど……」

 

 は、恥ずかしい……。でも、驚くべき話だ。水が、何でも記憶できるって、本当なの? ちょっと、直ぐには信じられないけど。


「……という訳で、このイニシエーションを達成して得られる、一つ目のギフトは、禊の池の権能を自由に活用する力です。どう? 凄いでしょ!」


 彼女が頭を傾げてニッコリと笑顔を向けた。


 自慢気に話すアクアディアさんって、ちょっと可愛いかも。って、そんなことは、どうでもいいのよ! それより、禊の池!


「ほ、本当に? 本当に、いろいろな物を再現できるのっ?」


「あら? 私の言うことを信じていないようね。百聞は一見にしかず。一度試してごらんなさい。あなたに、最初に渡してあげた服や、着ていた子ども服に黒のハイソックスと靴、ショーツも禊の池に入れてありますから、池の水に手を入れて、それをイメージすれば取り出すことができるはずよ。もう、魔法も使えるでしょ?」


 確かに、アクアディアさんが嘘を言う訳も無かった。魔法も、元通り使えるようだし。そういうことなら、早速、試してみたいっ!


「じゃぁ、やってみるっ!」


 そう言って転移窓を出し、禊の池の水の中に直接繋げると、手を入れて、麻のワンピースとショーツをイメージした。すると、いきなり手に布の感触が伝わり、白い服が水の中に現れた!


「本当だっ!?」


 そして、水の中から服を取り出す。


 あっ、全く濡れてない。さっきと同じだ。


 ワンピースを広げると、おろしたてのような肌ざわりだ。


「ショーツも、真っ新に戻ったわ!」


 ショーツを腰に当て、アクアディアさんに見せた。


「必要なら、着古されたままをイメージして取り出すこともできるわよ。それに、完全な状態が記憶出来ていれば、多少の修理だってできるわね。ただし、複製を作成することはできませんけど。入れた物を取り出すだけですから」


「それでも凄いですっ! ホント! これがあれば、鞄を持たなくてもいいわ!」


 アクアディアは、手の甲を口に当てて笑った。


「フフフッ! おかしいわね、エリアさんって。物の持ち運びや収納が便利になっただけではありません。もう少し、いろいろな発想をして、このアクアセラ―を使いこなして欲しいものね」


 なるほど、色々使い道があるんだ。でも、今は思い付かないからゆっくり考えておこう。


「分かりました。アクアセラ―の使い方、もっと考えてみるわっ!」

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


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