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129-7-10_ショーツデザイナー

 サリィは、ニッコリ笑ってそう言った。


「ホントに? もう出来たの? 何て仕事が早いんだ。見せてもらってもいいの?」


「も、もちろんです。エ、エリア様の下着ですから」


「嬉しいよ。どんなのかなぁ~」


 ピンクの包み紙を丁寧に広げて、下着を取り出した。


「あっ、サリィが履いていたのと、同じだね! 可愛いよこれ」


 サリィが作ってくれた下着は、サイドが長めで、太ももの一番太いところの少し上くらいまであり、ウエストの位置は腰骨あたりまでで、ウエストが少し低くめとなっている。そして、伸縮が良く、スポーツショーツという感じだ。


 色は、クリーム色で、サリィの白いショーツとは少し色違いだ。早速、下着を履き替えてみた。すると……。


「このショーツ、いいっ! サリィ、とってもいいよ」


 着け心地は、引き締まって安心感があり、それでいて優しい肌ざわりだ。


 姿見の前でポーズを取る。


 お尻の丸みのラインがしっかり出ていて、テンションが上がってくる。


「どう?」


 サリィに感想を聞いた。


「い、いいと思いますっ!」


 この世界での下着が、あまりにも進化していないので、それと比べるのはどうかと思うけど、やはり、履き心地が最高だ。


「サリィ、こんなデザイン、どうやって思い付いたの?」


 サリィに聞いてみると、ただ、体に合わせて型紙を作り、それを元に縫製したらしい。

 

「そうなんだ」


 サリィの体型が元の型になっているようだ。


 神センス! 


 きっと、この世界の規格には合っていないんだろうけど、これは、みんな履いてみたいに違いない。それなら、彼女のその感性を、もう少し、刺激してみよう。


「ねえねえ、あと、こんなデザインもどうかな?」


 メモ用紙に、簡単なデザインを幾つか書いた。


 イヒヒ。流石のサリィでもこのデザインは思い付かないだろう。


「こ、これは……せ、攻めてますね。い、いえ、や、やってみます。ちょっとお時間、く、くださいっ!」


 サリィに手渡したデザインは、ハイレグとTバックだ。この世界じゃ、破廉恥だって言われるかもしれない。でも、仕上がりが楽しみだ。出来上がったら、アリサに試着をお願いしてみよう。


 その後、サリィが身支度を始めてくれた。彼女も、なかなか手際が良い。アリサに負けじとも劣らないものだ。彼女は、とても丁寧に髪を扱ってくれる。今日の髪型は、全部を三つ編みにして後ろに流し、前髪は両サイドに落して、サリィの作ったオレンジを基調とする組み紐でまとまられた。


 髪の色にピッタリ!


 そして、服装のチョイスだけど、これがまたいい! 何んといっても、ミニスカート。もちろん、ショーツあってのコーディネートだ。もしかして、ミニスカートを履くのって初めてかもしれない。イリハは、結構短めのスカートを履いているけれど、それでも、膝上丈五センチというところだ。なぜなら、それ以上短くすると、こちらのもっさりした下着は、スカートの裾から出てしまうからだ。しかし、今日のミニスカートは、正真正銘のミニだ。


 屈んだだけで見えちゃいそうだね。


 でも、サリィのショーツは、見せパンみたいだし問題ない。スカートは、紺色のプリーツスカートで裾に白い二重線が入っている柄だ。少し寒くなってきたので足が出る分、太ももまである黒のハイソックスを履く。上は、長袖のシャツの上から、もこもこのグレーのセーターだ。

 完成した自分を姿見に映すと気分が乗ってくる。ショーツの履き心地もあって、今日はいつもにも増して決まった感がある。


「サリィのセンス最高だね。そう言えば、この間から、僕と、イリハやラヒナがトータルコーディネートされてたけど、もしかして、あれ、サリィのアイデアなの?」


「は、はい、お嬢様方の、お洋服は、大体、わ、私が、決めています」


 そうだったのか。


 サリィには、ファッション関係のスキルがありそうだ。それなら、僕の頼りない記憶だけど前世のファッションをサリィにどんどん伝えていこう。


 身支度が整ったので、遅ればせながら朝食に向かう。そう思ったとき、サリィが、モジモジしながら話し出した。


「エ、エリア様。き、昨日は、ありがとう、ご、ございました。わ、私、今日、姿見から、なかなか離れられない程、じ、自分の身体を見るのが、う、嬉しくて……」


 裸の自分を見ていたんだね……。


「そ、それと、あ、あの、キ、キスの事ですが、わ、私、は、初めてでした……」


 女神の祝福だね。でも、昨日は、たっぷりと長いキスだった。


「そ、それで、あ、あの~、アリサさんに、今度、エリア様が成長されたとき、二人で、エリア様の湯あみをお世話しようと言われました。ふ、服は着てはダメだということで、な、何だか、は、恥ずかしいですけど、で、でも、傷跡が無くなって、嬉しくて。エ、エリア様になら、も、もっと、たくさん、み、見てもらいたいなって……。湯あみ、ちょっと、た、楽しみです」


 そう言うと、サリィは、顔を隠しながら、足早に部屋を出て行ってしまった。


 ゆ、湯あみ。三人で……?

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