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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第1章 TS転生

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010-1-10_制御不能!

 それにしても、今のは思いのほか上手く行った。せっかくだから名前でも付けてみるか。そうだな……なんてね。そんなの思いつくのは一つしかない。っていうか、しょぼい感がどうしても否めない。本当はこんな程度の力じゃないはずだ。もっと、火とか水とかそういう派手な魔法を使えるようになりたいんだよ。それなのに、さっきから指先に火をつけようと試しても、全く反応無しだ。


 う〜ん、やっぱり魔法をイメージするって良く分からないな。蝋燭の火みたいなのを想像してるんだけど、何でこんな小さな事くらい出来ないんだろう? あ、もしかして切迫感が足りないとか……。いや、それなら、絶体絶命の大ピンチにしか魔法が使えないって事になっちゃう。スーパーヒーローの必殺技じゃないんだから、それは流石にダメだよね。


 こういう時は、基本に戻ってみるしかない。


 さっきの下痢魔法、どうやってイメージしたんだっけ……。


 そんなの考えるほどでもない。とにかくお腹が痛くて我慢できなくて、とうとう……って言う感じだ。


 そうか。イメージしないといけないのは現象じゃなくて、それまでの過程が大事なのかもしれない! よし、それなら、火魔法の場合は身体の中で火が燃えるようなイメージをすれば……。 


 お腹の中で火が燃える……ハッハッハ、何それマグマ? 火山の爆発じゃないんだからさ。


 ところが突然、心臓が、ドクンっ、と大きく鳴った。


 え!? 


 驚いて胸を押さえる。

 さらに、右腕には激しい血の流れを感じ始めた。


 な、何だ、右手が、熱いっ! あれ? 手に何か集まってきてるよ! え? え? え? 何だこれ!? す、凄い! なんか怖いんだけどっ!


 手の先で何かが弾けそうだ。思わず力一杯拳を握る。


 何これ!? だ、ダメだ、右手から何か出ちゃうよ!


 右手を胸に押し付け、何とか耐えようとする。ところが、もう、爆発でもしそうな勢いになってきた。そしてそれは、手先の方へとどんどん圧縮されていく。


 う〜〜〜、弾ける! も、もう無理! どうしよう、ここで? いや、それヤバいっ!!!


 ズバッ、と右手を幌の隙間から外に突き出す。

 腕を真っ直ぐに伸ばし、手のひらをパッと開いた。


 その瞬間、手のひらの中心から、シュンッ! っと何かが放たれる。


 ドドドドドォォォ――――ンッ!!! 


 激しい音と同時に、幌の継ぎ目や傷穴など、ありとあらゆる隙間から眩しい閃光が入り込む。

 爆風に煽られた幌が激しく波打ち、荷馬車の片輪が一瞬浮き上がると、前方で馬が大きく前足を持ち上げた。


 ヒヒヒヒィィィ――――ンッ!!!


 馬のいななきとともに荷馬車が大きく傾く。

 荷台の中では、身体が組んず解れつして慌てる奴隷たち。


 いぃぃぃ――っ!?


「おいおいおいおい! な、何だ何だ、今のデケェのは!?」


 御者台の男が焦ったように叫ぶ。

 鉄格子にしっかり掴まってなければ、身体を飛ばされそうだ。

 奴隷たちも必死で檻にしがみついた。

 荷馬車はバランスを崩し、片側の車輪が持ち上がったかと思うと、御者台にいた男の一人が放り出されて転げ落ちる。

 すると荷馬車は、ドスンッ、と着地し、ようやく落ち着いた。


「痛ェ! チキショー! 何がどうなってやがるっ!?」


 い、今のは、な、何……?


 心臓は、早鐘のように鼓動する。

 右手を手元に引いて、手のひらを覗き込んだ。


 こ、この手から、何か、とんでもないものが出たような……。


 奴隷たちは、全員が鉄格子に捕まりながら、目玉を、飛び出るほどに見開いている。


 ぼ、僕じゃなからね……。


 心の中でそっと呟いた。どうやら、バレたような様子はない。

 その時、荷馬車の外から大きな声が聞こえる。


「お前、奴隷たちの様子を確認しろっ! 俺は、後ろを見てくるっ!」


「へい、兄貴!」


 男は幌を勢いよく捲り上げ、荷台の中を睨みつける。


「変わったことはねぇようだな。おい、テメェら。妙な事考えんじゃねぇぞ」


 奴はそう言って幌を閉じると、荷馬車の後ろに向かった。


「兄貴、どうですかい?」

「どうですかじゃねぇ! 見ろ、あの真っ赤に焼けちまってる抉れた崖を! ヤベェぞ、コイツは!」

「あぁ、さっきの爆発のやつですね。何だったんでしょうかね?」

「お、オメェ、なに呑気なこと言ってんだ? こんな事出来るのは、伝説級の魔獣しかいねぇ!」

「魔獣が出たっすか? や、ヤベェですぜ、兄貴!」

「だからそう言ってるだろ!」

「兄貴、見たんすか!?」

「オメェと一緒だっただろ、馬鹿野郎! しかし、こいつは、噂に聞く火竜の仕業に違ぇねぇ!」

「それマジっすか!? 俺たち、狙われたってことですかいっ!?」

「狙われてたんなら今頃灰も残らねぇ! よく分からねぇが、俺たちが狙われたんじゃねぇだろう。命拾いはしたようだがな。とにかく、すぐに出発だ。こんな恐ろしい場所とっとと離れて、市場へ急ぐぜ」

「いいんですかい休憩は? 兄貴、あの女奴隷を気に入ってやしたけど? 腹の調子戻ったんじゃねぇんで?」

「ば、馬鹿言えテメェ! 命の方が大事に決まってんだろっ!」

「へ〜い」


 そうして、慌てるように馬車は動き出す。


 い、いや〜、流石に驚いちゃった。レムリアさんが言ってた魔力の暴走ってこういう事? だとしたら危険すぎる! こんなの一体どうやって制御するって言うんだよ。

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