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11.受け入れた青年
あれから、数日が過ぎた。
麗菜は相変わらず煉斗の部屋へ押しかけたいと毎日の様に詰め寄って来るし、新葉は新葉で、休み時間毎に後ろの席から声をかけてくる。
高校入学当初に煉斗が想定していた静かなハッカー生活は、もう今の段階ではかなり違った方向性になってきており、どう足掻いても以前の様な生活には戻れない。
(やっぱり、変に頼みごとを聞いてしもたのが、拙かったかな)
しかし、悪い気分ではなかった。
ハッカーという正体を知られない為に敢えて陰キャのぼっちを装い続けてきたが、賑やかな生活というのも案外、楽しいものだと思い始めている自分が居た。
(ま……なる様になるか)
そんなことを思いながら、今日も煉斗は教室に足を踏み入れる。
そして、麗菜と新葉が彼を笑顔で出迎えた。




