夢をみる(二篇)
【夢の中で(改訂)】
言葉にならない
この夢は
言葉にならない
この夢は
いつか 誰かの
風になる
夢をみる
故郷の遠いあの人に
潮の香りと波の音を
そっと運ぶ
その夢を
涙でほてった
頬をそっと撫でられる
その夢を
旅立つ季節に
桜散る
花びらを乗せて
あなたの
肩に
そっと 舞い降りる
その夢を
光のうちに虹をかける
その夢を
夢が
夢みている
【あの日のあなたに】
あの日のあなたにわたしは夢を叶えてもらった
この想いが誰かひとりにでも心に届いてくれたらと
それだけの想いを
あの日のあなたは本当に心から
受け取ってくれていた
わたしはそう感じた
涙を流したと言ってくれた
嘘でもうれしかった
あのとき、もう夢は叶えられていたの
あの日のあなたに
あなたの夢は叶ったんだろうか
どうか導いてほしい光
あの涙の星よ
あの日のあなたに