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燃える水差し②
「ちょっと不思議に思ったのですが。」
インフルエンザの流行が終わり再開された療養院の昼食会でヴィルヘルムが思い出したように言った。
「先日導師の家に泊めて頂いたとき・・・・・・。」
「なんと申された、ヴィルヘルム殿!!」
何故か今日も療養院の昼食会兼会議に参加していた巨漢の『爆炎術師』ゲオルグがヴィルヘルムを睨みつけながら叫んだ。どうやらゲオルグは何か勘違いをしているようだが、それを承知でヴィルヘルムは美しいその瞳でゲオルグを挑発する様に目配せした。
≪いい加減にしてくれないかなぁ~、この二人。≫
するとテオドールが空気を読んだように口を挟んだ。
「エルフェリンを治療したとき、遅くなったから泊めてもらったんですよ。僕やエルフェリンも一緒にです。」
ゲオルグに対する優越を失いちょっとがっかりしながらも、ヴィルヘルムは続けた。
「テーブルの上に乗せた水を張ったたらいに浮かんでた小さなランプ、あれはなんですか?」
「ああ、アルコールランプね。」
小夜は説明を始めた。




