表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/134

感冒⑬

「この配分がむずかしいんだよな。」


 小夜の館その一階にある暖炉の前でヴェルナーがぶつぶつとぼやいていた。ヴェルナーは感染後三日ほどで本調子を取り戻し、すぐに仕事を再開した。続いて熱に倒れたテオドールの代わりに。


 ()()()()()()()にて脱水が改善されたエルフェリンは、まだ頭痛と咽頭痛、繰り返す咳に苦しめられてはいたが、どうにか経口摂取が出来る様になってきた。領主が心尽くしの贈り物としてくれた貴重な蜂蜜を、小夜の指示通り解熱鎮痛剤効果がある柳の樹皮を煮出した湯に溶かす。脱水の危機は回避されたものの、いまだ頭痛とのどの痛み、咳に苦しむエルフェリンではあった。ヴェルナーを困らせているのは、煮出しに使う柳の量が多いと嫌がってエルフェリンは飲まないし、柳が少ないと効果も薄いという事実。なにしろ今のヴェルナーは忙しい。エルフェリンは回復にむかっていたのだが、そのあと熱に倒れたのはテオドールとヴィルヘルム、そして小夜。ヴェルナーはみんなの世話をその一手に引き受けていた。ヴェルナーが作った柳煮出しの蜂蜜湯を値踏みするように眺めるエルフェリン、受け取っても飲むのを躊躇(ちゅうちょ)している。


「飲みなさい。」


 普段とは打って変わったガサガサ声で小夜が言った。今度は小夜がベッドに寝かされ、エルフェリンが椅子で毛布にくるまっている。小夜の声に首を竦めたエルフェリン、回復した彼女の首は柔軟性を取り戻していた。そしてエルフェリンは仕方なく柳煮出しの蜂蜜湯を嫌そうに(すす)り始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ