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感冒⑧

「エルフェリンは無事ですか?」


 駆け込んできたのは療養院でヴェルナーを看病していたはずのテオドールであった。当のヴェルナーが高熱に苦しんだのは初日のみ、その後はケロリと改善し今では温かいチーズ粥をお代わりするほどの回復ぶりとのことであった。ヴィルヘルムを呼びに行ってくれた通りすがりが、療養院のテオドールにも連絡をしてくれたらしい。返事のない小夜とヴィルヘルムの反応を見て愕然としたテオドールは、ベッドにぐったりしてベッドに寝かされたエルフェリンを見て事態の深刻さに気が付いた。


 テオドールはエルフェリンのカサカサになった唇に、水で湿らせた自分の指を這わせた。何とかエルフェリンに水分を摂らせてやりたいテオドールの気持ちが取らせた行動であろうが、ほ乳類の皮膚は水分をその表面から吸収することがほとんどできない。しかしこの神にもすがる思いで行ったテオドールの行動が小夜にあるアイデアを授けていた。


≪水分の経皮吸収が出来ないなら、吸収できるところに入れればいい。≫


 小夜は一階の暖炉で沸かし湯に少量の塩を入れて再沸騰させた。ヴィルヘルムとテオドールはそんな小夜を目で追っていた。小夜ならきっとなんとかしてくれる、そんな期待を視線に乗せて小夜に向けていた。再沸騰させた薄い塩水が人肌程度に冷めたころ、小夜は涙目になりながら震える声でヴィルヘルムとテオドールに言った。


「エルフェリンのお腹にこの水を入れます。」


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