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呪われし大地⑮

 弓兵が眠りについてからそっと体を動かして以前作成した体外からの栄養補給路である胃瘻を作成、そこから必要な水分と栄養を補充した。その後は半日ほどで切れてしまう感覚を遮断する施術をヴィルヘルムが繰り返し、動けない弓兵を皆で定期的に体位交換した。代わる代わる弓兵の左手を握りながら。有難いことにこの間遠征は執り行われず、数回城門前に猪頭鬼(オーク)が現れたが、これも犠牲者なしに追い払うことができていたため、新しい傷病兵が運ばれてくることはなかった。たった一人の傷病兵とは言え昼夜を問わずの看護にみな疲れ切っていたが、交代で乗り切りついに14日目の朝を迎えた。


 その視力と聴力、体の感覚を取り戻してもけいれん発作が起きなくなっていた弓兵、彼は幾粒もの涙を(こぼ)しながら言った。


「ありがとうございました。『治療術師』様、ありがとうございました。療養院のお世話係さん、そして本当にありがとうございました。()()()()()使()()。」


 ヴェルナーとテオドールは快気した弓兵の言葉に両手を取り合って喜び、ヴィルヘルムはその整った頬を優しく緩めつつ深く頷いた。小夜は気恥ずかしさに顔を真っ赤に染め上げつつも、治療の成功に胸をときめかせていた。そして何故かこの場に居合わせたゲオルグは感涙にむせび、彼のすすり泣きは部屋中に響き渡っていた。そんなゲオルグの巨体をエルフェリンが不思議そうに見上げていた。


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