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呪われし大地⑩

 過去に例のない大勝利は城塞都市オストプロシアの理性を完全に崩壊させた。兵士たちは喜びを謳歌(おうか)しながらジョッキのビールを(あお)る。その喜びの姿に感銘を受けた将校たちが自分たちだけに支給されていたワインを一般兵士たちに振る舞う。将校たちの振る舞いは領主も知るところとなり、秘蔵の蒸留酒、火酒と呼ばれる高級酒を町中に配り始める事態となった。誰にも止められない喜びの宴は実に一週間、オストプロシアにある酒類を全て飲み干すまで終わらない、そんな勢いを以て執り行われた。怪我人が発生しない平和な状況下に、療養院も平和と酒宴を謳歌し、オストプロシア全体が文字通り酒と歓喜におぼれた。


 療養院も街中同様に朝から酒盛りを繰り返し、小夜とヴィルヘルムはもちろん、ヴェルナーとテオドール、そしてなぜだか毎日現れるゲオルグによって朝から夕まで酒宴は続いた。酒に酔って笑い合う大人たちに辟易(へきえき)したエルフェリンはしばし一人遊びに興じるしかなくなっていた。そしてそんな日々が一週間も続いたある日のこと、いつものように療養院の外で朝から一人で蝶を追いかけていたエルフェリン。そこに、二人連れの男たちが現れた。そのうちの一人の表情が明らかに通常のそれと異なり、エルフェリンを警戒させた。その男は苦笑いを嚙み殺しているような表情をしながら、顔のあちこちを引きつらせている。付き添いのもう一人が慌てて療養院へ連れてきたようだ。エルフェリンは不穏な空気を彼女なりに感じたかの様に、療養院の中へ駆け込んだ。


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