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呪われし大地④

「むかーし、むかし。」


 というほど城塞都市ケルニヒベルグが猪頭鬼(オーク)の手に落ちたのは昔の話ではない。城塞都市ケルニヒベルグは当時、プロイゼ帝国において東の主要都市であり、その人口はオストプロシアの数倍を数えた。当時は数が少なかった猪頭鬼(オーク)の脅威も現在ほどではなく、城塞都市ケルニヒベルグはプロイゼ帝国の中央にある都市と同じような生活、すなわち軍民が共存した社会が形成されていた。ただしケルニヒベルグには屈強な兵士たちが常駐し、強力な『術師』たちがその防護にあたっていた。

 そんなある日のこと、いつも通り攻めてくる当時は数が少なかった猪頭鬼(オーク)たちをいつも通り城内から攻撃し追い払い、その優勢にのぼせた兵士たちが城外へと追い討ちに出た。かすり傷を負ったものの彼らは首尾よく猪頭鬼(オーク)たちを(ほふ)り帰還した。しかし問題はそのあとであった。城外戦に出た兵士のほとんどが、その戦いの一週間後より食事が取れなくなった。粥をすすろうにも、ビールを口に注ぎ込もうにも口が開かなくなったのである。城外戦の凱旋者(がいせんしゃ)たちは揃いも揃って口が開かなくなっていた。まるで顎を誰かに抑えられているかの如く、どうやっても口を開くことができなくなっていた。その後兵士たちは奇妙な死を遂げ始めた。口を開くことを拒むようになった筋肉の症状は他の部位にまで及び始めた。手足がこわばり、けいれんをくりかえした。中にはけいれんによって反り返り過ぎた結果、自分の背骨を砕いて自身を死に至らしめるものまでいた。

 原因が特定できない兵士たちの奇病の流行に、残った兵士たちは戦意を喪失した。城塞都市ケルニヒベルグにいる者たちは我先にと敗走を始めた。城塞都市ケルニヒベルグを守るべき兵士たちも敗走した結果、猪頭鬼(オーク)たちは守る者のいなくなった城塞都市ケルニヒベルグを蹂躙(じゅうりん)し始めた。結果数年で城塞都市ケルニヒベルグから一部の女性を除いて人間はいなくなり、城塞都市ケルニヒベルグは猪頭鬼(オーク)の集落となり果て、これがこの地方での猪頭鬼(オーク)の爆発的な増殖に繋がった。


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