表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/134

猪頭鬼

 戦乱が続くこの世界、秩序を求めるものと混沌を望むものとで戦いは終わりが無いものに思えた。秩序に統べられた生活を求める人間たちと、人間よりも一回り大きなその体を利用して収奪と凌辱をその生業とする猪頭鬼(オーク)と呼ばれる亜人間(デミヒューマン)たち。猪頭鬼(オーク)の名の通り、牙をはやした猪のような頭部と毛皮に覆われた強靭な巨体、その風貌は人間からすればまさに悪夢の産物、それが猪頭鬼(オーク)であった。猪頭鬼(オーク)たちは生産を知らない、狩人が獣を狩るが如く、人間の集落を襲い、文字通り人々を食い殺し、略奪の限りを尽くした。そして人間たちが猪頭鬼(オーク)を恐れるもう一つの理由、それは彼らの集落には雌がいないこと。猪頭鬼(オーク)集落のすべてが逞しい雄のみで構成されていた。彼ら猪頭鬼(オーク)にはわかっていないことも多い、ただ分かってしまったことでより恐怖を増すこととなった事実、彼ら猪頭鬼(オーク)は他人種の女を殺さずに浚うこと。そして生殖能力があると判断されれば、その女たちは猪頭鬼(オーク)たちの繁殖という仕事を与えられる。女たちは多胎を強いられ、毎年のように猪頭鬼(オーク)の出産を余儀なくされる。そしてその命が尽きるか、生殖能力が尽きた時、彼女たちは用無しとなり猪頭鬼(オーク)たちに人間の男性と同じ扱いを受ける。そんな不条理な世界でも人間たちは必死で生きていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ