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小夜の館①

 もとは城塞()()であったオストプロシア、最前線となった今では民間人はすべて退避したため空いている一軒家は豊富に存在していた。あの謁見から一週間後、その一軒が小夜に振り分けられたということだ。早く一人を満喫したくてスキップ気味に歩く小夜、それを残念そうに案内するヴィルヘルム、二人は市街の中心近くで瀟洒(しょうしゃ)な一軒家にたどり着いた。


≪ワンルームアパート住まいの私が、三十路を前に一軒家の主になれるとは。≫


 小夜は自分の屋敷に導師(メンター)を招き入れることが出来ず残念そうにし続けるヴィルヘルムの前でも感激を抑えきれなかった。小夜にあてがわれたのは、小さな二階建ての一軒家。モルタルっぽい赤い土塗りの壁と、その骨組みとなる黒い木の梁が縦横に走っていた。一階と二階にはいくつかの白い木製の小窓があり、小夜を歓迎するかのようにかわいらしい花が飾られている。


「何か困ることがありましたらすぐにでも私の館に・・・・・・。」


 食い下がろうとするヴィルヘルムを追い返し、小夜は意気揚々と初めてのマイホームに足を踏み入れた。


 この世界の不思議さに慣れ始め大概のことでは驚かなくなっていた小夜、自分だけのプライベート空間であるはずのこの家に誰かがいることに気付いた。そこにいたのは小さな少女の体にちょっと吊り目なぱっちり二重、シャギーというよりは長さのそろっていないブルーのショートヘアー、狐のような耳が二つ髪の毛を押し分けて生えており青い尻尾が彼女の後ろに見え隠れする、そんな愛らしすぎる少女が黒いワンピースに身を包み白いエプロンをかけて小夜を迎えていた。小夜のVR世界でのアバター:SAYOを少女にし、それにメイドさん的な要素を追加したそんな容姿をしていた。


「ああ、忘れていました。それはですね。」


≪まだいたのか、お前。≫


 家の中に入ってきた超絶艶男の弟子志望、ヴィルヘルムをぞんざいな感想で迎えつつも、今回ばかりは彼の説明に耳を傾けることにした小夜、そして思いがけず入室を許されたヴィルヘルムは嬉しそうに説明を始めた。


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