表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/134

療養院⑤

 小夜の療養院改革は止まらない。動く仕草や顔色等々を細かく観察していた小夜は、なんと軽症で自分で動ける負傷兵の8割方を『退院』させてしまったのだ。ヴェルナーとテオドールは最早言葉を失い、小夜の手際にただただ感心させられていた。結果自分で動けない、身の回りのことをするのに介助が必要な20名程度の負傷兵だけが療育院に残った。動ける者たちが片づけを手伝ってくれた上に負傷兵の数が激減したので小夜とヴェルナーとテオドールはようやく手が空いた。


「ちょっと休憩しましょう。」


 ヴェルナーはさきほど兵士たちに配る粥を持ってきた厨房へとスキップしながら姿を消した。しばらくするとヴェルナーは木の板を張り合わせたようなジョッキを三つ持って嬉しそうに帰ってきた。ジョッキの中身は、ハーブの香りが強いが小夜の知る飲み物、ビールであった。


≪いやいや、勤務中に酒ってダメだろ。それに君たち未成年だろ。≫


 そう思いながらもこの世界では自分は新参者、ルールに従うべきと自分に言い聞かせ小夜は黙っていることにした。何よりこの世界のビールに興味があったのが本心かも知れない。


≪ぬるいけどおいしい、黒ビールっぽいけどハーブが効いててさわやか。≫


 これが小夜の感想であった。


「気に入って頂けました?まだまだいっぱいありますからどうぞどうぞ。」


 笑顔でジョッキを傾ける小夜に気をよくしたヴェルナーは嬉しそうにお代わりを勧めた。


「いやいや、これからまだやることもあるし。お茶とかないの?」


 その言葉にテオドールがビールをこぼしそうな勢いで驚いた。


「お茶?そんな高級なもの見たこともありません。サヨさんはお金持ちなのですか?」


≪なんだこの反応?≫


 この言葉が丁度よいきっかけとなり、小夜はこの世界について二人に質問を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ