表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/134

療養院③

 療養院の凸凹コンビは背の低いほうがヴェルナー・オットー、背の高いほうがテオドール・フォルスマンと名乗ったのは、自分で動けないほど重症な10名ほどの怪我人の世話をした後だった。小夜と凸凹の二人は汚いシーツをはがして新しいものと交換し、沸かした湯に浸したタオルで怪我人たちの体を清め、ベッド周囲をきれいに片づけた。


「サヨさん、すごいですね。みんな喜んでますよ。」


 体が大きい割に気の小さいテオドールがようやく小夜に慣れたように話しかけた。食欲を取り戻した怪我人に粥を配り終えた小夜がようやく微笑んだ。


「ヴェルナー君もテオドール君も頑張ってくれたからね。」


≪しかしこの状況どうなってるのかしら?≫


 小夜は自分が置かれた状況よりも、このひどい療養院なる建物への疑問が尽きなかった。凸凹コンビのヴェルナーやテオドールは17歳、詳細は分からないが彼らは知的階級の生まれで読み書きができたため、療養院の世話係に任命されたらしい。介護や看護の知識も持たず教育も受けずに。彼らの話では『治療術師』とやらに施された治療後、怪我人の体が完全に回復するには1週間を要する、その間を怪我人たちが過ごすのがこの療養院だそうだ。治療の技術はあってもその後の看護がなされないから、ばたばたと治療を受けたはずの怪我人たちが死んでいく。ちゃんとした統計は取っていないようだが、死亡率が4割を超える月もあったらしい。


≪私が来たからには絶対この状況を改善させてやる。≫


 自分が置かれた状況が全く分からない中、小夜は決意に燃えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ