閑話③
ごめんなさいが苦手なの
ほんとは仲良くしたいのに
謝る勇気が欲しいのに
いつも気持ちが空回り
テオドールは食器棚の上でしょんぼりとテオドールを見下ろすエルフェリンを見て、その心情をテオドールなりに勝手ながらに夢想した。
ふうっ
テオドールはため息と一緒に振り上げていたお玉を手放した。
「もう私は怒っていませんよ、エルフェリン。さぁ危ないから降りていらっしゃい。」
さきほどまで激怒しながらエルフェリンを追いかけまわしていたテオドールが、打って変わったような優しい声でエルフェリンに説いた。エルフェリンは先ほどまでしょんぼりと下がっていたその耳を嬉しそうにピンと立て、素直に食器棚から降り頭を垂れながらテオドールのそばにおずおずと寄ってきた。
「よしよし、いい子ですね、エルフェリン。」
そう言って優しくエルフェリンの頭を撫でようとしたとき、テオドールの予測に反してエルフェリンの動きは加速した。テオドールの背後には大事に置かれた昼食用の腸詰肉、数珠つなぎになったそれを咥えてエルフェリンは足早に逃げ去った。
「待ちなさい!!」
再びテオドールの怒声が療養院内に響き渡った。




