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味覚過敏

 そろそろ皆様もわかってきたのではなかろうか。


 過敏症というものは、持っているとお得なものではなく、人が平気なものも受け入れられなくなる厄介な特性であることを。


 視覚過敏では「光」を感じすぎ。


 嗅覚過敏では「悪臭」を強く感じ。


 では――味覚過敏では?


 味を過敏に感じ取る。


 苦手な味が増えるとか?


 隠し味がわかるとか!


 まあ、まあ、正解である。


 苦手な味も増えるし、隠し味っぽいのもわかる時もある。


 はっきりわかるといえないのは、湯兎が料理しないからである。


 料理する人で私並みの味覚過敏の人がいれば、隠し味までわかるのではなかろうか。


 さて、私並み、といったが、私はごく最近まで自分の味覚をそうまで過敏だとは思っていなかった。


 むしろ、子供舌。


 ASDがわかってからも「味覚過敏」だとは思っていなかった。


 なぜか?


 …………視覚、聴覚、嗅覚などと違って、味覚はほかの人と比べる方法がないからである。


 これが好き、嫌いは個人の嗜好だと思われるし。


 むしろ辛いもの全般ダメな私を、家族一同、そう思っていたのだし。


 わさびだめ。しょうがをかじるのはだめ。生の玉ねぎはだめ。キャベツなんてとんでもない!


 生の玉ねぎ? キャベツ? と思った人にお教えしよう。


 奴らは辛いのである。


 噛めば噛むほどに辛みを増して、喉を突き刺し、目をツーンとさせるとんでもない辛さ魔人なのである。


 なお、この魔人は電子レンジで倒せる。ハカナイイノチダッタネ。


 脱線した。


 私のこの「好き嫌い」が「好き嫌い」の域を過ぎていることに気づいたきっかけは、お茶だった。


 我が家では朝ごとに麦茶を沸かし、夕ご飯後にポットを洗う。


 が、その日は朝から夕方まで麦茶の消費量が少なすぎたのか。


 誰もポットを洗わずに次の日を迎えたのである。


 そして……どうなったか?


 幸いなことに食中毒は起きなかった。


 が。


 最初に起きてポットの麦茶を飲んだ私が「わっ、これ昨日のだおいしくない!」と文句を言い。


 ……続いて起きてきた両親が、「昨日との味の違いが判らぬ」と言ったのである。


 言ったのである。


 言われちゃったのである。


 「わかんないの?」「うん、おいしいよ」


 そういわれた時の湯兎の心境たるや!


 「うそでしょ、私、いままでみんなが『おいしい』って思って食べていたものを一人『おいしくない』って言ってた可能性あるの!?」


 単純にいやなやつである。それも場を下げる相当いやな奴だ。


 頭を押さえていた湯兎は、それに似たことがすでに家では結構な数起こっていたことを思い出し、「好みの違いかと思っていたのに……!」と悶絶した。


 並べて調べるのが難しい、それが味覚過敏。


今回出てきた症状……過敏症 味覚過敏

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