表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

ちょっとした特技① 〜それは嗅覚過敏ではないと思う〜

 あれは中学生だったか。


 湯兎は休日、友達といっしょに街に出かけた。


 目指すはショッピングモール。確か、もう一人の友達の誕生日プレゼントを選ぶためだったと思う。


 若い女子向けのお店に入って、二人きゃわきゃわして、別行動。


 湯兎はアクセサリーなどのきらきらを楽しんで。


 ふと、棚に目をとめた。


 香水の棚である。


 ずらりと50種類くらい並ぶ香水。


 興味がひかれる。


 湯兎がそのころ読んでいた少女マンガでも、香水は「なんか大人っぽい」とか「いいにおい」とか描写されていた。


 なんか、興味がひかれる。


 湯兎は棚に近づくと、試供品のふたを外してくんと嗅いだ。


 ……くさっ!!


 悪臭である。


 湯兎はびっくりしてふたを閉めた。


 え、これが「いいにおい」なの?


 大人になったらこういうものつけないといけないの??


 いやいや、香りの好き嫌いには個人差がある。はずである。


 そのころから「嗅覚過敏」という言葉は知らずとも、制汗剤のかおりなどに辟易していた湯兎は試供品を戻して。


 ……うん、だから、こんなに種類があるんだから自分の好きな香りもあるよね!


 興味をひかれただけのはずが、しっかり買う気になっていた湯兎である。


 それから湯兎ははしから試供品をとっていった。


 とって、嗅いで、戻し、とって、嗅いで、戻し、とって、嗅いで、あこれいい香り。戻し。


 端から端まで香りを確かめた。


 50ほどの試供品をためして、湯兎の目ならぬ鼻にかなったのは二つ。


 どちらも「フェラガモ」というブランドであった。


 二つ、もう一度嗅ぎ比べて。


「うん、こっち!」


 きーまり!


 途中から隣にいた友人は、上機嫌な湯兎を見て、湯兎の選んだ香りをかいで、商品棚を見て。


「湯兎ちゃん、こんなに一気に香水を嗅いで平気なの?」


「え? なにが?」


「香りが混ざったり、鼻が利かなくなったりしないの?」


「え? しないよ? ○○ちゃんはするの?」


「うん、香り強いもん」


 香水などはじかに嗅ぐものではなく、試供品のふたを開け、手で軽く風を送るようにして香りを確かめるものだということを知らなかった女子初心者だった湯兎たち。


 そんなもんかー、と首をかしげながら二人は無事プレゼントを決め、湯兎は香水を購入した。


 なんとなく大人っぽくていい気分だったことを覚えている。


 と、昔話を振り返ったのであるが。


 大人になった今わかる。


 連続でにおいをかぎ続けても鼻が馬鹿にならないのは、湯兎のほうがおかしい。


 はてこれも発達障害の症状か? と考えるものの、嗅覚過敏とはなにか……なにか、違う気がする。


 香りをかぎ続けると鼻が利かなくなる症状は「嗅覚順応」「嗅覚疲労」「異嗅症」などがあるが、反対に馬鹿にならない鼻はなんといえばいいのか。


 そういえばこんなことがあったなあ、と人ができないことをしたことに優越感を抱きつつ、同時にはて、と首をかしげる湯兎である。



今回出てきた症状……嗅覚過敏(仮) 50種類ほど試して2種類しかだめだったのは嗅覚過敏と言えよう。


ちなみに湯兎が「フェラガモ」の香水ブランドが平気だったのは湯兎とそのブランドが相性が良かっただけで、嗅覚過敏全員に共通ではなく、いわんや万人に当てはまることではないことを付け加えておく。


ここ数日、ランキングにお邪魔していたそう。恐縮である。とてもうれしい!

皆様に特大の感謝を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ