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竜祖召喚

 飛龍初代の召喚はその場ではできなかった。

 やはり経年劣化が起きていたらしく、多少の補修が必要そうだ。

 といっても四天王のような幽霊組とは違って、眠っていたとはいえ先日まで生きた体に収まっていたため、手ごたえでいえば少しの引っ掛かりを直すだけでよさそうだ。

 同じ死に立てでも、魔物の王の場合は最初から壊れていたのでさかのぼっての修復が必要となったように思う。ありていに言って駄女神の前にいたときからだ。

 彼女ももう召喚は可能だが、できるからといって慌ててやるのはどうかと思う。

 同じく魂あり召喚になると思うし、魂ありには修復者への縁と自由意志が宿る。縁はいまのところ好意的なものばかりで助かっているがネガティブなものがないとどうしていえるのだろう。

 それよりは、独断と強引な手段とはいえ竜の民との協調ができそうなのだ。

 初代飛龍の中の人を召喚する。これが最優先だ。それができなければ彼らとは完全に対立状態になる。飛龍の明けの花十四世は冷静な分、その時は徹底した対応をしてきそうだ。

 リクエストは魂なしだが、多少なりとも補修してしまった場合は四天王と同じことが起きない保証はない。

 一緒に戻ってきたスーハオに少し弱音を吐くと、最悪そうなっても仕方ないと答えられた。

「あれは明けの花十四世殿一人のお考えですからな。そこのゴウラガ殿は違う意見だ」

 そう、樫鬼のゴウラガがこっちについてきてしまった。うまくいった場合、召喚した「夜明けの霧の声」を連れ帰ることになっているが、おそらく探りも入れてくるのだろう。

 竜の民の戦士の数はスーハオの見立てで千近く。これは侯爵領よりも多い。その一割の戦力でもあの村を滅ぼすには十分だろう。ただし、今借りているオートマトン次第だが。

「初代様は本当に復活なされるのだな」

 ゴウラガはそれしか聞いてこない。それについてはスーハオとリンホーが自分たちを引き合いに請け負ってくれた。ただ、いまいち信用はされていないようだ。

「そういえば、他の部下はどうしたんだ」

 スーハオ一人だけなので聞いてみると、彼らは今も南の森林地帯にいて流れてくる魔獣を狩っているのだという。

「殿の肥やしにはもうあまりならんが、まあ、罪滅ぼしに引き受けたのと、いざというときに呼べる数にはなるので」

 必要なら少しなら追加できる、と彼は言った。ただ、あわてて増やしても村の者が困惑するだけなのでもう少し様子を見てからになるだろう。

 それより、スーハオからかつての「夜明けの霧の声」のことを聞き出して修復の糧にしよう。

 おそらく、集中して二、三時間で完了できるはずだ。わずかなひっかかりを直すだけに近い。

 そう思っていたのだが、戻ると騒ぎが起きていた。

 正確には、騒ぎが終わった後だったが。

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