変身と転嫁
飛龍が倒された。
その時がやってきたのはすぐにわかった。
ステータスがどさっと増える感覚。魔物の王の時ほどではないが、その重量感のある感覚をどう表現したらいいのかは少しこまる。
時刻は夜。やたら重くなったり頑丈になったり、眠らなくてもいい体になっていたが眠ったほうがすっきりするので寝ようとしていたときだ。ちょうど魔物の王の修復を、以前、そのしもべを取り込んだときに得たイメージを起点に使って試みてみたあとだった。
修復は思ったよりうまくいったようで、他のイメージも使ってあと一、二回実施すれば完了しそうだ。
それでさすがに疲れて横になったところでどさっと。
飛龍の民が寝静まった隙をついたのだろうか。
ステータスは簡易表示で1~2あがったものもあったが、半分は端数程度の上昇だった。今、最も高くなっているのは簡易表示では頑丈さで現在17、この数字は人間の平均がだいたい5で、通常は12が上限と聞いているので大幅に超過していることになる。だが、魔物の王、飛龍を得てこの数字の表示がおかしい。具体的には17(15)となっているのだ。簡易表示の力はこれに次ぐ値だが、こちらは15(12)とまた少し違う。どうやら制限を受けているらしい。詳細表示を見ると制限はさらに細かく差異をもっていて、現在の体ではこの性能を引き出しきれてないというのがどうもうかがえた。
そしてゲームシステムの表示選択に「変身」という項目が増えていた。情報空間のその位置にはもともとそのための空きがあって、これは魔王としてのオプションをまとめて必要なときに出せるよう配置しておいた、と駄女神に教えられていた。
ちなみに、彼女はその詳細はどうも知らないようだった。
プルダウンメニューになっているので、選択だけ見てみようと開いてみると、巨大化、飛龍化、カスタムとある。カスタムのほうのメニューは見覚えがあると思ったら、骨格を頑丈にし体重を増やした時と同じものだった。これは肉体改造で能力値を出すためのものだろう。
飛龍化とか、ちょっと試してみたい気がするがもしかしたら、いやたぶん確実に、普通に考えたらもとには戻れないだろうね。
もう一つ増えているメニューもあった。「転嫁」と書いてある。こちらもプルダウンで、「配下強化」「装備強化」「眷属ボーナス強化」の三つがでている。それぞれプルダウンがあるようだが、装備強化だけは有効化されていない。配下強化は魂あり召喚者、つまり元四天王とダラの名前があった。眷属ボーナス強化は、現在、レベルで自動的に彼らに微強化されている項目が出てきた。人を選んで強化するか、軍団全体の力を底上げするかの選択だろう。
スーハオの言ってた外在、内在だが、変身が内在化、転嫁が外在化だろう。適用にかかる時間によっては、切り札としてとっておくのも選択だろうか。
いったん、これは保留としてレベルだけ少しあげて12にした。防御結界の枚数が増えるし、眷属ボーナスも微量増える。
さて、飛龍の情報を調べてみよう。




