表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/455

南の情勢

 スーハオのおかげで、地図はいくらか更新されている。

 まず、彼らの知る時代の地図が薄く重ねられていた。

 これで闇鬼の国が南南西遠く、岩砂漠を越えた向こうにあることがわかったし、大陸のおおまかな形もわかった。「対岸」だけでなく、人間の住む「此岸」の地形もある程度はいっているし、今はないであろう国名とおおまかな勢力範囲がわかった。公爵たちが皇帝を推戴してしのぎを削る人間たちの国、それはまだこの薄く表示された地図には存在していないが、その西のほうには広大な「魔国」の版図があった。この時代、人間たちは小さな国に分裂したままでまとまっていない。

 地図はその砂漠の見えるあたりまで埋まっていた。飛龍の縄張りのある山地と、鉄鬼の都市のある山地の間を抜けて南下したことになる。

 砂漠を渡ってさらに南下、あるいは東西に迂回するというところまでは行っていない。まっすぐ移動すれば四日はかかりそうな距離なので、あまり遠くに行かないほうがいいと判断したのだろうか。

 ただ、この距離をあと二日で帰ってくるというのだが大丈夫だろうか。

 そこまでいって、新しい集落などは地図に記入はされていない。飛龍の勢力圏のおおまかな西側境界が記入されたくらいだ。

 そのあたりで彼らの狩っていた魔獣は、このへんにいないし、テラオ村長もゴドルもリンホーもエリナも知らない生き物だった。

 体長三メートル、胴の太さはさしわたし二十センチの角のある蛇。角は一本のもの二匹、二本、三本がそれぞれ一匹いた。エリナの推測では、こういう角はおそらく魔法の触媒を固めて蓄積したものであろうということだった。自然の生き物ではないというのが彼女の結論だった。魔物の王討伐後、一匹しとめているがステータス上昇は激減した。

 次に少ないのは体長二メートルほどの小型のカバだが、頭の部分はティラノサウルスのようになったもの。蛇が単独行動を好むのに対し、これは来るときは三、四匹立て続けなので群れを作ってると思われる。群れが二つで合計七頭。魔物の王討伐後はわからないくらい少しだけしかあがらない。

 その次が角のあるクロヒョウだった。単独行動を好むようだが、数は多くて八頭。これも魔物の王討伐前はともかく後は一切ステータスに影響がでなくなった。

 最も多かったのが猫より確実に大きなネズミだった。前歯が恐ろしくするどく、来るときは続けて十数匹落ちてくる。七群れで九十七匹。もともとほとんどあがってなかったので魔物の王討伐後はぴくりともしなくなる。

 彼らの詳細はスーハオが帰ってきてから聞くとしよう。

 時間が少しできたが、魔物の王の魂の修復をやるには不安がある。

 ゴーレムの水晶の補修の研究を進めることにした。ロクザン翁にいくつかもらった助言で試していないもの自分で思いついてまだ試していないものがあったからだ。

 だから成果があるとは思っていなかった。

 二日たったが、スーハオはまだ到着しない。少し遅れるというメッセージが書き込まれていた。

 少しなら別の実験をしよう。

 霊体を魔力で練りだして、幽霊のコピーから制御ソフトを書き込む実験だ。ロクザン翁が実績をもっているが彼の場合は幽霊そのものを改造するのでやりなおしがきかない。俺の場合は複写を使うのでやり直しできる。ただし、おそらく魂付きにはできないだろうといわれている。

 伝言や偵察用だからそれでも十分だ。

 プログラミングを少しかじっていてよかった。やってることは、プログラムのソースコードを処理単位でまとめてコメントアウトしたり、複写したりするのに似ている。処理単位の中までいじる技術はまだない。ロクザン翁はできそうだが、もらった資料ではそこまで突っ込んではいない。たぶんそのへんだけでかなりの分量になるのだろう。

 練習で組み上げた霊体はもっとも単純なものにした。人魂だ。空気より軽く、電池でもあり制御系でもある小さな核の他は透明。蠕動して漂うようにしか飛行できない。核には小さなカメラもあって、映ったものを記録して持ち帰ることができる。偵察小鳥より使いやすいとはいいにくい。

 まあ、そんなのを組んでは動かしを繰り返し、ようよう要領を得てきた、ゴーレムのほうも何か見えたという時点でスーハオが戻ってきた・

 二日出戻るといっていたが、三日目も終わろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ