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台地の決着

 台地の森の蜘蛛の巣要塞は大きく切り込まれていた。

 森が焼けているのは火焔の魔法のせいだろう。どう使うかは再戦初日に見た通りだと思う。

 台地の中心には丸く広場ができていて、蜘蛛の糸で真っ白な宮殿が築かれていた。

 その宮殿の前で、おそらく最後の抵抗と思われる戦いが続いている。

 そこまでくると、蜘蛛の眷属が召喚者たちを直接指揮し、さしもの英雄部隊も手を焼かされているように見える。側面を固める侯爵領軍には頻繁にけが人がでているようだ。

 遠目で見ているので、詳細はなにがあったのかわからない。せめぎあいがしばらく続いて、人間側が急にざっとさがった。常に先頭にいて疲れを知らず武器をふりまわし、時折ショットガンのような魔法具をぶっぱなしていたリーダーが大きく引いたので突出したくさびがすり鉢のカーブのように引っ込むことになる。

 魔物の王の軍は戸惑ったのか、動きがとまった。

 直後、偵察小鳥の視界が激しくゆれた。止まっている枝が激しくゆさぶられ、落ちそうになったのだ。

 英雄部隊と侯爵領軍は身を低くしていたのでなんとかしのげているが、魔物の王の軍はほとんどが巨大な爆発に消えたり、破片で打ち抜かれたり、つんのめって倒れていた。

 あれも魔法なのだと思う。おそらくとっておきの一発。そうでなければあれの連発でことはすむだろう。

 頑丈きわまりない蜘蛛の巣の宮殿も無傷ではなかった。大きく削り取られ、足が数本折れ、固い外骨格にあちこちひびが入ってなにかもれだしている巨大な蜘蛛が姿をあらわした。単眼の真ん中より一対が巨大な人間の目になっているが、その片方は傷つき、体液をもらしている。

 広げた足の幅だけで十メートルはありそうだ。あれが魔物の王なのだろうか。

 その背後から、今召喚されたばかりらしい大きな熊と、牙の鋭い猪があらわれた。熊は立ち上がると三メートル近い大きさになる恐ろし気なやつで、猪も体長2メートルはありそうな巨大な個体だった。

 魔物の王の最後の抵抗だ。

 普通ならとんでもない脅威だろう。うちの村の連中にはまったく手に負えないことは請け合う。だが、英雄部隊の敵ではなかった。

 十数分もすると、そこには巨大な蜘蛛の死体しかなかった。

 そして召喚されて抵抗する者たちははたと途絶えた。

 魔物の王は敗れたのだ。

 

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