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戦力補強

 考えた末、俺はリンホーの提案を却下した。

 便乗に使えるほどの戦力を俺はもってない。

 これについては四天王スーハオを呼べば十分だと反論された。だが、俺のレベルで制約を受けた彼がどの程度の戦力になるかは未知数だ。あと未召喚で戦力になりそうなのは熊四頭と怪鳥一羽くらいで英雄部隊の誰かにでも遭遇したらあっさり倒されてしまいそうだ。

 それと、魔王がもう一人いると気づかれるリスクはわずかでもおかしたくない。英雄部隊が送られてきたのも、魔王である魔物の王がいるからだ。少なくともロクザン翁からはそう聞いている。ならば彼らには魔物の王と決着をつけてもらってとっととお帰り願いたいところだ。

 ならば、魔物の王の配下を削って俺の力にして、わからない程度の助力をするのはどうか。

 ばれないでできることだろうか。

 俺のサイコロは裏目が出やすい。その最たるがいまここにいることだ。

 たぶんばれる。

 それにおそらく同郷で、同じ駄女神被害者の魔物の王は警戒対象だが、積極的にやっつけたいとはあまり思えない。これは人間に対しても同じだ。

 それでも俺は力をつけておかないといけない。

 と、なると魔物の王と英雄部隊が戦っている間に彼らには関係のないところで討伐を進めるのがいいのだろう。

 敵対的な相手で遠慮を覚えずにすむとすれば南の飛龍だが、飛んでる相手なのでおそらく手が出せない。

 もう少し手ごろといえば、入り江の人狩部隊の根拠地にあった蜘蛛たち、今は魔物の王にも属してない連中だが、数をふやしたとしても十を超えたかだろうし、あまり実にはならない。

「うーんうーん」

 うなってるとリンホーがまた提案してきた。

「スーハオを召喚してください。あいつは敗れた魔王なので、我々より負担は大きいと思いますがこと戦いにおいては彼抜きではとてもとても」

 戦力不足は確かに深刻だった。今の配下は命あるもの、召喚したもの含めて一番戦闘向きなのが侯爵領軍の腕利き兵士だったシュベイヒくらいしかいないのだ。続くのが怪鳥と蜘蛛。全然足りていない。

「しかし、彼も俺のレベルに制限を受けるのだろう」

「そうでしょうが、一つ確かめたいこともございます。それにレベル制限を受けてもあの英雄部隊の兵士くらいには戦えると思いますよ」

 リンホーの案は、彼で対抗するのではなく、彼で南の森を偵察と遊撃を行って俺のステータスアップを図る、というものだった。

「一人で大丈夫か」

「彼なら大丈夫でしょう」

 そこまで言われては、他に手のない俺としては試さざるを得ないな。

 リンホーの時のように意識を失わなければいいのだけど。

 生前の彼の体格を聞いて、触媒を用意し、片付けられる用事は前倒しに片付けて、俺は魔王スーハオの召喚を試みることにした。


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