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魔王ばれ

「いや、取り乱し、失礼いたしました」

 こほん、と咳払いして妖魔の商人は叫んだことを謝罪した。

「こちらの集落が台地の魔王に脅かされていることは知ってました。最近、立て直して村に戻り、われらの町まで塩を売りにきたことも存じております。樫鬼や小鬼だけでできることではないもので、きっと魔法を使う種族がいるのだろうと思っておりましたが、まさかもう一柱、魔王がおられるとは思ってもおりませんでした」

 どこから声が出てるのかわからないが、妖魔商人は饒舌だった。

 まあ、商売人である。コミュニケーションは大事なのだろう。

「まて、俺は人間なんだが、なんで魔王と思った」

 あなた誤解してますよ。そういう意味で聞いてみる。見抜かれる理由があるなら知っておかないと他の種族、生きた人間とかに接触したときにまずい。

「またまた、おとぼけになっちゃいけませんよ。魔力のオーラを見れば瞭然でございますよ。七色に輝く瑞雲のごときオーラ、魔王特有でございますな」

 俺はリンホーの顔を見た。君にも見えるのか? リンホーは察して首をふった。

「常時そういうのが見えるのは妖魔くらいですね。私たちは訓練するか、魔法具を通さないと見えません」

 訓練すれば見えるんだ。

「人間も訓練すれば見えるのかな」

「さあ。そのへんは私にはなんとも」

 リンホーにはなんともいえないが、エリナなら知ってるかもしれない。

「さて、相手が魔王様となればいろいろお話したいことができてございます。申し送れましたがやつがれはマイヤー商会のマイヤーと申します。まずは最近のこのあたりの情勢からお聞かせ願えますでしょうか。必ずお力になりますぞ。場合によっては我がガラの都も動きますゆえ」

 ガラの都、が妖魔たちの交易都市なのか。

 こうなれば話は早い。俺たちがあっさり滅ぶのはきっとガラの都にとっても不都合と信じて話をするしかないと思う。

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