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四天王召喚

 もう一つレベルをあげればスーハオの召喚は可能になりそうな気がする。

 通常の倍の魔力が必要とした場合だが、実際はどうなるかわからない。なにしろ、彼も元魔王なのだ。

 遺跡の魔王の記録でははっきり描写されていないが、人間の姿はもう捨ててあるみたいだ。

 明らかに彼のほうが強いので、彼が俺に従ってくれるのかどうかもあやしい。

 やってみる前に、もう一つ、いや三つやっておくことがある。

 残りの幽霊三人の情報の整頓だ。

 間を縫って、余裕のある日にやっていたので五日ほどかかった。この五日の間も村の運営は順調だった。魔物の王はこちら側への関心は薄いらしい。ダラからの情報では、最近は侯爵領南、彼女の領域の少し北に人狩がよく侵入して人間たちとやりあっているらしい。迷い込んできた落ち武者を合計二人ほど、蜘蛛とグイの合作罠でひっそりしとめたそうだ。これで俺のところに侯爵領の兵士一人、それに魔物の王の分身である別種の蜘蛛が加わった。

 兵士は若い。侯爵領生まれで、親の財産を注ぐ立場でない三男。ゆえに自力で身をたてるため、侯爵領で活動する傭兵団に見習いとして参加。予備の武器や矢玉を運ぶ小姓のような仕事をしていたらしい。夜間の戦いで急襲され、方角を見失ってほうほうのていで死地に迷い込んだという気の毒な少年だった。

 彼から得る情報はさほど目新しくはない。だが、侯爵領は傭兵を雇えるくらいには豊かになってきたようだ。戦況も、魔物の王とは苦戦しているが東の樫鬼はだいぶ圧しているらしい。そして、彼は上からの伝聞として「なんだかすごい人がもうすぐ来てくれるから、それまでの辛抱」と思っていた。

 ここは少し気になる。どんなすごいのが来るのか。

 蜘蛛はダラのところにつけた汎用とは違う、戦闘特化の蜘蛛だった。もう蜘蛛とはいえない姿で、黒々つやつやの頑丈な外骨格、武器となった第一肢、人間ほどではないがものを握れるような指の関節が追加された第二肢、そして太く力強く移動特化の第三、第四肢。ロボのように見える。そのかわり糸を歩くのは苦手で蜘蛛の巣罠にひっかかってるところを毒でしとめたそうだ。

 この戦闘用の蜘蛛と人間、樫鬼などの召喚者混成の五、六体ほどが最近みかける人狩部隊だった。これ、こっちに向けられると手には負えないこと間違いないだろう。

 戦力の補強のためにも、より強力な手札が必要だ。

 残りの三人はやはりというか、遺跡の魔王の四天王だった。四人全員が元魔王というわけではなく、二人だけ、スーハオと殖産興業大臣のホルンだけがそうだった。ホルンは遺跡の魔王や俺同様、別世界から連れてこられたらしい。どんな人生の持ち主だったかはその別世界パートもアクセス不可だったためほとんど情報がなかった。読み出せたのは、駄女神の前任者らしい老人の姿の神との対話部分だけ。彼は人間の魔王の姿を得て、人間の国におりたらしいが、それがなぜ「対岸」にきて遺跡の魔王の部下になったのかはわからない。人となりもよくわからないので、召喚してもうまくやっていけるかは不明だ。

 残りの二人は魔王ではなかった。おそらく、飛龍の縄張りよりさらに南と思われる地域、おおきな湖のほとりに壮麗な都をかまえる国があった。この二人はそこの出身者で樫鬼、小鬼、鱗鬼にくらべるとずっと文明的な闇鬼とよばれる種族の治める国で、彼らはそれぞれ宮廷貴族、魔法研究者でもちろん闇鬼だった。闇鬼は褐色の肌、豊かにうねる黄金の髪の毛、愛嬌のあるまん丸のほぼ黒目の目、そして薄い唇に大きなとがった耳ととがった高い鼻をもった種族で、彼らの記憶にある町の様子からして文明のレベルは高いといえた。魔道車とよばれる自動車が走っているし、どういう製造法を使うのか差し込み式のいわばバッテリーのようなものを普及させ、その力で動力補助のない道具はほとんどがない。

 彼らは時に対立し、時に協力し、この種族の支配層の日常である政治ゲームにいそしんでいたのだが、ある日、とある魔王のうらみをかってしまう。彼とくんだ競合相手をゲームで負かしただけにすぎないし、敗れた同胞も特に気にしていなかったが、この魔王は粘着質だった。

 誘いだされ、誘拐された彼らは片耳を半分切られてしまう。重罪人で追放者にしか施されない不名誉きわまりない処置だった。

 その魔王と敵対していたのが遺跡の魔王だ。もう自国の、少なくとも表舞台に立てないと思った二人は彼に助力し、復讐を果たす。彼らを得た遺跡の魔王はそこから最盛期を迎え、そして追い込まれることになる。闇鬼は長命の種族だったが、おいつめられた者たちの暴力的な内紛にまきこまれたり、敵の間者に毒を盛られてはかなわない。リンホーは冷血なマキャベリストで恨みをかい、エリナは強い好奇心のあまりの油断で命を落としている。

 レベルをあげて魔王でない二人を召喚するか、魔王のどちらかを召喚するか、決めなければならないだろう。俺一人ではそろそろ限界が見えてきている。

 

 

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