83.息抜き
ネロが咳払いをし、口を開く。
「話を戻してもよいかな?」
「あ、うん」「ええ」「はい」「うんっ!」
「わしら人間界組の最終目標は、この戦争を終わらせ王都の古代魔法を使用させてもらう事......」
「ええ。 タイミングが良いのか悪いのか、この大戦のせいで古代魔法を発動させる為のエネルギーが供給できない。 しかし、私達が戦力となることを条件に終戦後、魔法の起動を許された」
そう、だから僕らはここで戦っている。道がそれしかないから。
本当ならば今すぐにでも人間界へ戻りたい。でもこれしか他に方法が見つからなかった。
ヴァロが神妙な表情でいう。
「しかし......この大戦が終わって、その肝心のエネルギーはどこから持ってくるんだろうな。 はっきり言って古代魔法を起動させられるクラスのエネルギーがあるなら、これほど戦況は苦しくないはず」
「......うん。 でも、彼らは大丈夫だと言っていたから」
そう。それはこの提案をされた時、その疑問にはすぐに気がついた。けれど、姫の所作には嘘を感じられなかった。そのあとすぐにネロにも聞いたが、彼も彼女が嘘をついているとは思えないとのことで、何かしらの手段があるのだと僕らは考えた。
彼女は嘘をついていない。
「レイと王がそう判断したなら間違いはないんだろうな。 まあ、考えてもしかたないか......」
ふむ、とヴァロが腕を組んだ。その時、ネロが長い髭をなでながら彼に言った。
「ヴァロ......わしはもう王ではない。 そう呼ばれるのはいささか息苦しい」
――一瞬、ヴァロの目が鋭くなる。
「だから、ですよ。 あなたにはしっかり果たしていただかないと......俺達をいいように利用してきたんだ。 今更逃げられないですよ」
「......」
そう言われたネロは年相応というのは少しおかしいかもしれないけど、弱々しく見えた。
「ねねね、それはそーとさあ。 皆戦い詰めで疲れてない? 街で遊ぼーよ」
「「......」」
ネロとヴァロの因縁。それは王として勇者を利用してきた長い歴史が関係する。
しかし、そんなことはロゼには関係がなく......重々しい雰囲気のこの場を崩した。
彼女の唐突な提案に毒気を抜かれたヴァロ。少し驚いた表情で、うんと頷いた。
「そうだね。 もう数週間働き詰めだ......肝心なときに疲労で動けないなんて事にならないよう、休めるときに休もうか」
「うん」「そうですね」「......うむ」
「やったー!! ねー、レイ!! オススメの場所があるんだけど行こう!! 美味しいお菓子が売ってるんだ」
「うん、わかった」
その時、隣に座るルーナから熱い視線を感じた。
「......ルーナもいく?」
「いきます」
「ええっ!? で、デート......そんな」
「あ、えっと、三人で食べたほうが美味しいよ?」
「ううう......」
にやりと謎の笑みを見せるルーナだった。
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