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78.白い死神

 




 〜魔界、南部死の荒野『ダムル市街』〜



 魔界には死が立ち込めている。


 僅かな資源の奪い合い。魔界に漂う魔力濃度がそうさせるのか、魔獣は好戦的に、戦士は狂ったように戦いを求めた。



 ――一人の狼男が、竜人族の親子を追い詰める。


「いたいた......へへっ、こんな所に隠れてやがったのかよぅ。 もう逃げられねえぞ? ひゃは」


「お、お願いします、子供達は......私は好きにしてくださって構いません! お願いです、この子達は」

「お、おかあさん」「こ、こわい......うああん」


「ばーか、子供から先に殺すに決まってんだろう。 お前の表情が絶望に染まるのを楽しむために、あえてここまで追い詰めたんだからよ」


「な、そんな......」

「気がついてないだろうが、この家の外には仲間が大勢いるからな。 逃げようなんて思うなよ......無駄だならなぁ?」


 ――しかしその中でも平和主義の魔族達も存在する。彼らは

 隠れるように、時には逃げながらここまで生き延びてきた。

 そして人との融和を目指し活動を続ける。

 終わりかけている魔界の地から人間界を制圧しようとしている魔族とは違い、彼らは人との共存を願う。


 だが、それを良しとしない勢力がいる。魔界へ追われた魔界の悲しみを継いできた者達。


「おまえらは裏切者だ。 俺達が受けた仕打ちを忘れ、人に歩み寄ろうとする......醜悪で怠惰、苦しみながら死ねよ! ひゃは」


「やめてっ!!」「おかあ、っ」


 ――まだ小さい子供の竜人族。その首を掴み、掲げる。


 母親の表情を眺め、満足気にニヤリと嗤う。


「はははっ、やっぱサイコーだなぁ! じゃ、死ぬからなぁ?」「――お前がな」


「は? ――ぐぶ、がっ!?」


 子供の首を折ろうとした瞬間、狼男の両腕が斬り落とされた、そして一瞬で首を捻り折られる。


 あまりの早業にあ然とする竜人族の母親。


「――あ、え? ......??」


 狼男を一瞬で殺した外套の男。奪い返した子供を母親へ渡しながら言った。


「大丈夫、この子は気絶してるだけだよ」

「あ、ありがとうございます......あなたは、いったい」

「ただの傭兵。 そんなことより、ここは戦地になる。 下手に外へ出れば逆に死ぬ可能性が高い......救護がくるまでここで待機していて」

「わ、わかりました」


 男はにこっと笑うと、外へ駆け出した。


 騒ぎを聞きつけた他の魔族が集まってくる。


「なんだてめえは!? どこの――」


 男は話をする気もない。任された仕事はこの市街の奪還。敵勢力一人残らず全てを殺す、それだけだ。


「あぐっ!?」「ぎっ」「かぶふっ!!」


 ――手に持つ白いダガーが血に染まる。


 あっという間に十数人の命を奪う。時間にして十秒足らず。


 決して敵の力が弱いわけではない。人間界のレートでいえば彼らはS+レートであり、命の奪い合いを毎日繰り返している歴戦の兵だった。


「て、てめえ、なんだその強さは!! あぎっ」


 ドサッ。


 集まってきた約三十のS+レート魔族を瞬殺。


『――東、ハルバ医療施設が劣勢。 SSクラスが約四十人の大群で攻めてきてる......お願いできますか?』


 男の頭に響く声。


「了解。 北の方は大丈夫か?」


『北には王......いえ、ネロが行っているので大丈夫です』


「うん、わかった」


『では、気をつけて。 レイ。 ......何かあれば言ってください』


「了解、ルーナ。 行ってくるよ」



 レイはダガーの血を振り払い、走り出した。







【書籍情報】

KADOKAWA電撃の新文芸様より書籍が発売されてます!


眠介先生が描くレイとリアナのカバーイラストが目印です!


電子書籍版、ブックウォーカー様、アニメイト様、ゲーマーズ様で描き下ろしの特典SSがそれぞれ付きます!是非ともご購入くださいー!!


よろしくお願いします!!

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