表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/86

77.決断

 


 ――ミシッ



 僅かな空間の亀裂。



「リアナ!? なにそれ!?」「!?」


 目の前の空間がガラスのように割れ、その隙間から視線を感じる。


「ああ、やっと見つけた......国中捜し回ったけど、どこにも居なかったからさぁ、レイを追いかけて魔界にでも行ったかと思ったぜ」


 ――私は剣を抜いた。それと同時に、皆も武器を構える。


 特定の花と魔石を使い、扉と定めた場所からしか出入り出来ない神域。それなのに、空間を割ることで道を作るなんて......。


「誰?」


「ん? ああ、そうか......面識はないんだった。 よっと」


 バキィッン!!


 空間の破れ目から出てきたのは、黒い着物をきた一人の男。


「俺の名はツクヨミ。 よろしく」


「なっ!?」「!!?」「え......」


 ツクヨミって、王直属の......?


「ははっ、まあそう警戒するなよ。 これは幻影だ......俺の意識を投影しているに過ぎないし、戦う力もない。 その証拠に俺からはたいしたオーラを感じないだろう?」


 確かに、一見すると一般人が纏うオーラ量。おそらくは幻影を作っている魔力しか保有していないんだろう。

 けれどなぜ......ここに。


 その疑問はフェイルが先に問いかけた。


「......なぜあなたがここにいるの......?」

「んー? そりゃ決まってるさ」


 彼が不敵に笑みを浮かべる。


「リアナ、君に頼みがあってきたんだよ」


「......頼み?」

「そう。 頼み」


 にこにこと微笑むツクヨミ。この雰囲気、以前どこかで。


「その頼みっていうのは、具体的になんですか?」

「うん。 この場で全てを話すことは出来ないんだけれど、レイの居場所についての頼みだ」


 レイの!?


「魔界にいるんだろ?」


 アトラの言葉にツクヨミはうなずいた。


「そう、魔界にいる。 しかし君らは彼が魔界のどこにいるかを知っているかい?」


「いや。 しかしその口ぶりだとおまえは知っているということか」


「ああ、そうさ。 我々は彼の居場所を突き止めた。 お察しの通り、今はまだ教えることはできないがね」


 私はきいた。


「頼みというのはなんですか? それがレイの居場所を教えてくれる条件なんですよね?」

「話が早くて助かるね。 そう。 そしてその条件は......なに、簡単な事さ。 王城へ来てもらってある男と話をしてもらうだけだ」


 ある男......カノンさん?


「話を? 私と?」

「詳しいことは知らないが、彼は君に興味があるらしい。 だから、少しだけでもいい。 会ってみてくれないか?」


 その会って欲しいという人がカノンさんだとすれば、話を聞きにいく価値はあるかもしれない。

 ただ、この場では踏み込めない......相手が黒の騎士団の長であるカノンさんだとすれば、アトラやフェイルさん、ヒメノさんに止められるだろう。


 だからこそ、ツクヨミは誰かを明かさない。


 ――罠であり、チャンスかもしれない。


 行けば確実に、何かしらのレイの情報が得られる。けれど、罠である確率も濃厚。



(......どうする)



 目を閉じると、レイの顔が思い浮かぶ。


(......あなたは、一人で魔界を彷徨っているの?)


 ......ごめん、ノルン。


 何もできないのは、やっぱり嫌だ。


「わかりました......私、王城に行きます」




【書籍情報】


KADOKAWA電撃の新文芸様より書籍が発売されました!


眠介先生が描くレイとリアナのカバーイラストが目印です!


電子書籍版、ブックウォーカー様、アニメイト様、ゲーマーズ様で描き下ろしの特典SSがそれぞれ付きます!是非ともご購入くださいー!!


皆様、よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ