69.めざめ
第三部です。よろしくお願いします!
【深月の都崩し】と呼ばれた何者かによる王城襲撃事件。
首謀者は目撃証言により、黒い服の男と黒魔道士とされている。
殆どの聖騎士がその戦闘で殺され、王までもが命を奪われるという大きな事件となった。
しかし、問題はその直後。
神門により守られているはずの王都内に魔獣が侵入してきたのだ。
その数、百あまり。A〜SSレートの魔獣たちが民を食い荒らし始めた。
逃げ遅れた子供、動けぬ老人、立ち尽くす兵士。全てを蹂躙する魔獣の群れに、人々は世界の終わりを予感した。
が、その時。
何処からともなく現れその魔獣達と戦い始めた者たちがいた。
黒い鎧を身に纏い、応戦する彼らはまさに救世主。
その戦闘力は凄まじく、魔獣災害の発生からわずか一時間足らずで終結に導いた。
その筆頭、カノンは全ての民へ向けこう言った。
「信じられないかもしれない......しかし、神門が開いていない王都でこれほどの魔獣が侵入した事実。 それほどの事が出来うるのはただ一人、他でもない【王】なのです! 彼の者は魔族の王の協力者でもあり、時がみちた今人の世を終わらせようと魔獣を放った! しかし、安心して欲しい......その王は我々、【黒の騎士団】が討ち取りました。 この戦いで神命教会の大聖女が命を落とされたが、今、この国は真の正義を手に入れたのです!」
――混乱と恐怖の支配する状況、命を救ってくれた彼ら【黒の騎士団】に人々は心を奪われる。
(......あー、チョロいなぁ♪)
〜二年後〜
――ギィンッッ!!
刃と刃がかちあい、火花が散る。
「――おっ、いいのう」
「はあああっ!!」
リアナは体を捻らせ、円を描くように回転。剣に魔力を込め更に撃ち込む。
それを後退し避けようとするノルン。しかしガクンと体が落ちた。
足首に水の鎖。それはリアナの足首にも繋がっていた。
(――! 大振りの剣技は密かに繋いだ鎖に気が付かせない為か!)
尻もちをついたノルンにリアナはニコッと笑い言った。
「私の勝ち! これで王都に行ってもいいんだよね?」
「む、う......」
目をそらすノルンに覆いかぶさるように顔を近づけるリアナ。
「言った! ノルン言ったのに! 嘘だったの!?」
「あー、もうわかった! わかったからどけ!」
ニイっと白い歯を見せるリアナ。にこにこと立ち上がった。
「......しかし、約束は守るがお前も守れよ? 王都へ行ったらすぐにフェイル達と合流。 成果がなくとも三日後には戻ってくる。 いいな?」
「うん、わかってるよ。 心配性だね、ノルンは」
「そら心配だろ......お前異様に負けず嫌いでなにするかわからんときあるしよ」
「だーいじょぶだって! へへ」
笑うリアナ。それを眺めながら横にいたアトラがいう。
「って事はフェイル達は王都にずっと滞在しているんだな」
「ああ。 まあ、ただしくはフェイルとヒメノだけだが......イオリの動向はわからん」
「なるほど」
【暗月の都崩し】の後、フェイルとヒメノ、イオリはユグドラシルへと向かった。
王都がカノンらの手によって落ちた事。レイの行方がわからなくなった事を報告し、対策を立てるために。
結論から言えば、フェイルの肉体が現存しているこの状況でレイが生きている事が確定し、おそらくはレイは魔界へ飛ばされたのではないかと推測された。
突如、【黒の騎士団】と名のり表へ出てきた結界師と影法師の一族。
魔界へ通じる門は彼らが司り封じていたものだったため、そう考えられた。
「敵か味方か......レイを魔界へ送ったという証拠もない以上、それはわからぬが」
「でも、レイが生きている。 助けなきゃ」
「前にも言ったが、力がなければ助けにはならぬよ」
「うん。 私、がんばる......頑張って、レイを迎えにいけるように強くなる」
その想いを胸に、二年間。リアナとアトラはユグドラシルでの修行に励んできた。
不安を圧し殺すように、振り払うように。
その全てを力に変えるように。
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