ヒガンバナ
ルーナはレイの動きを制限するべく、カンナへ集中する。
リミッターを外したレイに対抗できるのは唯一彼女のみであるため、一時的に神力を集中し攻撃を捌くことに専念した。
――ガガガッ!!
レイの攻撃を受けるために纏う神力。ダガーの一手を逸らすだけでも大きく削られていく。
ルーナの神力が底をつき、しかしその瞬間【神力泉】を発動させ、神力を回復する。
(......!!)
ルーナがニコリと笑い、レイはその時に悟る。
――このままでは負ける。
弓を構えるルーナ。その射線上には彼女を守るように配置されたミミラとフレイ。
レイの集中が切れ、決定的な隙が生まれるのを待っている。
神力切れを狙いラッシュをかけたレイだったが、それもルーナの計算内。
もはやレイに残された手は、カンナを殺しルーナの元へ駆けるしかなかった。
洞窟内には結界師の施した大結界があり、逃げることも叶わない。
「......」
レイは思い浮かべる。
リアナとの時間を。奴隷から冒険者となり、辛い時を越え、出会えた彼女との幸せな時間。
大切な人となった、リアナ。
ルーナはリアナを守るといったが、大義のためとなれば犠牲にするだろう。
『......救えるのは、ひとつ』
(想像しろ)
『うん』
(彼女が魔族に蹂躙される場面)
『嫌だ』
(苦痛の果に死ぬ、彼女の表情を)
『怖い』
――レイは、心を闇に沈める。
『さあ、選べ......カンナとリアナ。 どちらを殺す?』
――キンッ
レイはカンナの振り下ろす大鎌をダガーで受ける。
そして、柄を滑らせ
彼女の首に刃が当たる
――リアナ。
レイの脳裏にリアナの悲しそうな顔が浮かぶ。
真っ赤な花が咲いた。
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