59.七つ目 (ルーナ 視点)
ルーナの複合能力【神聖海】は歴代七人の聖女から成る。
現、大聖女のルーナは十七とまだ若く、使える能力は限られているが、それでも【神知同調】【神力泉】【心握】の三つを使うことが可能。
【神知同調】
神力を宿す者を操作することができる。信仰や親密度によりそのシンクロ率が変わり、互いの親愛度が高ければ潜在能力を越える力を発揮する事ができる。
【神力泉】
神力を凝縮し保管できる神石を特定の神域へ固定し、そこへ教徒や聖騎士に神力を流し込ませる事で神力のストックを作る。このストックはいつでも聖女へと供給する事ができる。
神域は人々に神木門と呼ばれる。
【心握】
ルーナ自身の能力。相手に光の矢(神力のオーラ)を撃ち込む事で、一時的な洗脳状態に出来る。(約一、二分)
三本当てることで完全にコントロール下におくことが出来るが、かわりに【神知同調】が数時間使えなくなる。
副次効果で、対象の魔力を一定の確率で神力へ変化させることができる。
カンナ、ミミラ、フレイを盾に膠着状態を生み出し互角に戦いを進めるルーナ。
しかし、決して優位とは言えず、むしろなりふり構わずにレイが殺しにくれば確実に殺されてしまう。
(......このような張り詰めた戦いは久しぶりですね)
僅かな隙も作れない。
油断すれば一瞬で彼は私の喉元を喰い千切るでしょう。
――レイがセフィロトを呼び出し、根を接続した。強化されているはずのレイ体の至る所から血飛沫にも似たオーラが噴き出し、ユグドラシルのオーラがどれほど強力なのか改めて理解させられる。
(まさかSSSランクのダンジョンを踏破した者が現れるなんて夢にも思わなかった......しかし、これは千載一遇の好機。 この力があれば数百年もの間膠着状態だった魔族との争いを終結に導く事ができる......絶対に生け捕りにする)
レイの全身から溢れ、燃え上がるようなオーラはダガーへと移る。
赤黒く光る刀身。
彼の足元はオーラが触れているせいで砕け始める。
(......ここからが、本当の戦い。 一手間違えれば即死の綱渡り)
震える手と、鳴る心臓。
荒くなる呼吸。
今にも倒れそうなルーナを支えるのは、初代大聖女から継がれてきた人々の想い。
魔族と戦い破れた者、被害にあい苦しみの中死した者。彼ら彼女らの無念や執念が、ルーナの背を押していた。
(究極、私は殺されてもいい......彼を手中に収められればベストだが、私や彼女らを殺せる冷徹さがあれば私は身を引いてもいい。 それに耐えられる精神力があるのなら、レイは魔族を根絶やしにしてくれる......まあ)
――どの道、私達の願いは叶う。
まるで泣いているかのように、レイの頬を伝う紅い雫。
その左眼からあがるオーラは憤怒を思わせる。
(......もう、苦しまなくて良い。 あなたはこれまで多くの痛みを抱え歩いてきた。 仲間に裏切られ、死の淵を彷徨い、大切な者の死を飲んだ......だから、あとは私に任せて眠って)
「レイ」
――レイを仕留めるべく、教徒達が動き出す。
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