表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/86

58.花蓮

 

 次々と繰り出される教徒の連携攻撃。


 カンナをサポートするように、ミミラとフレイが僕の隙をついて魔法を撃ってくる。

 この三人は前衛となり、残りの教徒二人とルーナを遮るよう動き僕からの攻撃を防いでいた。


(残りの教徒はヒーラーか? もしくは幻術か付与?)


「ルーナ」

「はい」


「君は......王を討つと言っていた」

「ええ。 彼も魔族なので」

「さっき僕は、君に転送されなければ王を殺せていた。 それから僕と戦えばよかったんじゃないか? あのタイミングでの転送は......王を助けるためとしか考えられない」


「ああ、そうですね......」


「お前は信用できない」


「ふふっ。 王は魔族です......けれど、表向きはこの人の世の王であることには変わりない。 彼が突然殺されれば人は混乱し国が崩壊するでしょう。 なのであの場で死なれると、とても困るのです」


 ――ガキィン!!


 カンナの大鎌をレイがダガーで受け止める。


 彼女の背からは白い神力が噴射し、まるで白竜のつばさのようだ。


「レイ。 あなたはカンナの過去を知っていますか」

「......?」


「彼女の一族はある魔族に呪いをうけていて、人よりも魔力が多いのです。 しかし、そのせいで日々増していく魔力に肉体が耐えきれず、齢二十になるまでに亡くなってしまう」


 カンナと膠着状態になっていると、両サイドからミミラとフレイが魔法を撃ってくる。

 雷の矢、炎の矢が放たれ、僕は体内にあるセフィロトの根で弾き落とす。


「去年の春に彼女の妹はその呪いで死に絶えました。 ......ミミラは各地を転々と回る商人の娘だった。 父親は道中に出くわした竜人族に喰い殺されました。 恐怖で動けなくなった彼女は父の遺体の前で嬲られた」


『ねえねえ、お話し......ちゃんときこうよ』


 耳元でレイ(自分)の声が囁く。


「うるさいっっ!!」


 セフィロトの樹がレイの背後に突きだす。


「フレイは聖騎士を父に持つ娘。 ある戦のあと、帰ってきた父は右手首と頭だけでした。 彼女は知りませんが、報告書の内容では、彼女の父は苦痛を与えられ遊ばれ殺されたみたい」


 セフィロトの根がレイへと接続される。


「レイ、私なら......あなたの力をちゃんと使ってあげられる。 この子達のような、そう。 ネネモアのような悲しい運命にある人を救うことができる」


 ルーナの手元に光が集まる。


「私のこの精神力ならば。 ......あなたには無理でしょう? 皆の傷を背負うのは」


「僕が背負うのは、一つでいい」


 やがて光が弓に変わり、同じく造りだした矢を構えた。


 レイは覚悟を決めた――


(もう、失うのは......)



 リアナの声


 微笑み


 悲しむ顔



(......嫌だ)



 大切な想いを握りしめた。



 ダガーがマナで赤く染まり、暗く光る。







先が気になる!更新がんばれ!と思った方は、【ブックマーク】と広告下の☆から【評価】をお願いします!

【書籍化情報】

11/17KADOKAWA電撃の新文芸様より発売予定!イラストは眠介先生です!活動報告に書影とキャラデザがありますので、よろしければご覧になってください!

眠介先生のイラストが素晴らしいです!


描き下ろしの特典SSもつく予定!予約してくれるとすっごく嬉しいです!よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ