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49.食尽鬼

 


 ......アクロ......。


 これから先、彼には娘との幸せな時間があったかもしれない。なのに......。

 不意に消された灯火は、私の心に影を落とす。


「......なんで、こんな......」

「なんでって、お前こいつと戦ってたろーが? むしろこっちがなんでだわ」

「......彼はもう戦える状態じゃなかった......」

「ああ? じゃあ普通トドメさすだろーが......あいっかわらず意味わかんねーやつだな」


 そういうと、ロキは信じられない行動にでた。


 ぐしゃ、むしゃっ


 アクロの亡骸を食し始めたのだ。


 あ然とその光景を見つめる。


 まるでロキは、好きな食べ物を貪るかのような恍惚の表情。


「......うんめえなァ! 魔力に浸された体は!」


 口元を拭い手をこちらに差し向ける。

 私は思わず吐き気が込み上げ、胃の中のものを戻しそうになった。


「......どした? 青い顔してよォ? 命は粗末にしちゃあダメだろ? ちゃんと食べねえとよ......ははっ」

「......あなたは......もう、人ではないの......」

「半魔のおめえに言われたくもねえが、まあな」


 彼はにんまりと口角を上げる。


「この世は、弱肉強食。 俺は弱かったからこんなからだになっちまった......そうさ、弱者は蹂躙され喰われるだけ」


 彼の瞳が怪しく、ぼんやりと光を放つ。


 ゆっくりと右手をこちらに向け、そしてこう言った。


「そして、お前は俺より弱ええ。 ......お前のその魔法(ちから)、俺に()わせろ」


 混じりけのない殺気が私の全身を叩いた。


 強力な麒麟の力を使った私の体は反動で魔力が思うように扱えない。


 こわばる体と確信する死の気配。


(......ああ、レイ......)


 目にも留まらぬ移動速度。ロキの動きは魔族にしてもかなりの疾さで、いともたやすく私の背後をとる。


 しかしその殺気で後ろに回られた事を瞬時に察知。

 体を回している間もないと理解し、背に魔力を集中。


 ――ゴッ


 途轍もない衝撃。地に叩きつけられ、そのまま腕を掴まれ抑えられる。


「安心しろよ。 頭は残してやる......レイにはあわせてやるよ。 ひひっ」


 圧倒的な力。おそらくは、魔族であればS以上の力......いや、もしかしたらもっと?

 いずれにせよ、私はここまでだろう。


「......わたしは」


「あん?」


「......もう、後悔はない......」


 レイに謝れた。


 本当なら、あのとき失われた命だけど。


 ノルンのおかげで、レイにあえた。


 だから。



 最後に、ちゃんと役に立って逝く。



「後悔はねえ、か。 んじゃあ、なんで泣いてんだよ」


 魔力を心臓へ溜め込む。


 私の持つ全ての魔力を暴走させ、私ごとロキを吹き飛ばす。


 こいつはレイにあわせてはいけない。


「だんまりかぁ。 まあ、レイもすぐおくってやっから寂しくはねえぜ......じゃ、まずは四肢を引き千切ってだなあ」



 ――ミシッ




 ......さようなら。







 その時、突然にロキが私から離れた。




「――っぶねえ、首落とされるトコだったぜ!! ひゃははっ! なんだよ、お前も来たのか!!」


「まあね。 ......出来るなら、あんたの顔はもう見たくなかったけどさ」



 私を守るように彼女はそこに立っていた。



「......ヒメノ......?」


「やほ! 久しぶり、フェイル」


「......なんで......ここに?」


 燃えるような紅い髪を肩からはらいのけ、彼女は笑う。


「あたしもレイには助けられたんだ。 だから」


 真っ赤な刀身の剣をロキに差し向け、ヒメノは構える。


「今度は、あたしがレイを助ける。 ......命を懸けて、さ」







【とても重要なお願い!】


先が気になる!次は!と思った方はブックマークや広告の下にある☆☆☆☆☆で評価してくださると、執筆のやる気が瀑上りです!更新を頑張れますので、是非よろしくお願いします!


【お知らせ】

命を奪う【死神の左手】を発現させたお嬢様は、忌み子とされ全てを失い屋敷の地下へと幽閉される。「え、私の力が必要?あらあら残念、今更もう遅いですわ。私、既にそこには居りませんの」

というハイファンタジーも書いてます!こちらも異能力バトルモノですので、興味あればぜひぜひ。ざまあもあります!

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