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46.遠雷

 


 ――フェイルのオーラは魔力からレイに供給されるマナにかわり、その性質が変化した。


 本来、マナによる魔法は放つことが出来ない。それは遥か昔に起こった話で詳しい事情はわからないけれど、簡単に言えばマナと神力を扱う者に裏切られた事による所が大きいらしい。


『私達七霊獣は奴らにより封じられ、今もなお魔力を利用され続けている......騙し討ちのような手で契約を結ばされたが故、憎き神力使いには能力を使わせなければならない。 しかしマナ使いに協力するなど、死のない我ら霊獣だが、死んでも嫌だな』



 しかし私は例外であった。


 この魂による彼らとの繋がり。かつて遥か昔、共に暮らしていた霊獣達には愛情が絆によって固く刻まれていた。



 ――故に、マナによる高密度の魔法を使用する事が可能になった。



「はっ、まあまあだな。 呪われた忌み子、半魔故のとてつもないオーラ量! が、俺ほどじゃあねえなァ!」


 はっはっは!とアクロが笑う。


「......かもね」


 杖に宿る電撃が槍のように尖る。まるで、一角獣の角のように。


「!? 槍......お前、近接戦闘タイプなのか!?」


「......練習した......」


「練習......ふーん、そうかい」


 アクロは歴戦の七賢人。今までに遠距離タイプの魔術師が近接攻撃でいとも簡単に斃される様を目にしてきた。

 いかに高位の術者であろうと、熟練の戦士に刃で直接斬りつけられれば致命傷になる。


 だからこそ魔術師でありながらも薙刀を極め、近接戦闘への対策をしていた。


「あー、ま、お喋りはここらで終わりにしようぜ。 俺はお前を殺ったあとにクソガキを追いかけなきゃなんねえからな」


「......それは無理。 あなた、ここで死ぬもの......」


「はっ、抜かせ!」


 アクロはゆらりと刃を向ける。


 ......油断は出来ない。彼は七賢人、隙をみせれば一瞬で致命傷を負わされる。


 注意すべきは二つ。

 1、砲撃の様な雷。発動が速いけれど、かわりに威力は低い。

 2、地を這うように走る電撃。一瞬の溜めがあり、威力が高く追尾能力がある。


(......おそらく彼の魔法はこの二つ......)


 一つの魔法をこれ程の威力まで高めるには、かなりの鍛錬を要する。

 今の雷撃もどちらも私の魔盾でなければ防げずに吹き飛ばされる威力だった。

 この二つに自身の全てをかけるくらいの事をしなければこの破壊力はでない。


 ......だから、おそらく三つ目の技は無い。


 フェイルは槍のようになった杖を横薙ぎに振る。


(......だからこそ、彼は私に油断はしない。 実力で上回る必要がある......)


 その雷撃を水と氷の2種の盾で防ぎきったこと、更には雷魔法を扱う私を高位の魔術師だと認識したはず。

 けれど、ひかないのは私を倒せる何かがある。


 おそらくは体術か......接近さえすれば殺れると思っているのか。

 けれど、それは私も臨むところ。


 手を前に差し出し私が構えた瞬間、アクロの足元に溜まっていた雷が此方へ走ってきた。

 と、同時に雷砲を放つ。


 その二つを槍の一振りでかき消すと、素早く死角へ回り込んでいたアクロの薙刀が胴を狙い振り落とされる。


「じゃあな、小娘」

「......!」


 アクロの薙刀が地面へと突き刺さり、地鳴りのような音と揺れが響き渡る。


「な!?」


 しかしその刃は私の体へ届くことはなく、直撃する寸前で落ちることとなった。


「薙刀が重い!? こりゃあまさか!?」


 私の周囲へ近づくと発動する磁力場。足元に溜めてある磁力球へと彼の武器が引き寄せられた。


「磁力を扱える力......希少な能力だなぁ! が、だったらよ」


 その時、アクロは地中へ深く刺さり使い物にならなくなった武器を手放した。


「磁力を使うなら! その影響を受けねえモンで戦えばいいじゃねえか!! たとえば」


 ――長年の経験、いくつもの修羅の場を越え、死線を潜り抜けた者に与えられる「力」


 アクロの全身に電流が走り、激しくうねる。瞬間、激しい連撃がフェイルを襲う。


 アクロは戦いを肉弾戦へと持ち込む。


「おらおらおら!!」「くっ、ぐう!!」


 近接戦の実力差は明白。顔面、腹、次々と体に叩き込まれる蹴りや拳は、アクロの戦闘力の高さを見せつけた。


「おらあっ!!」


 首をへし折るかのように放たれたアクロの回し蹴り。まるでヌイグルミが蹴り飛ばされる様にフェイルは吹き飛び転がる。


「......武器を奪えば勝てると思ったのか。 浅はかだな? 小娘」


 うつ伏せに倒れ、沈黙するフェイル。


「半魔はやはり半魔、か。 忌み子の名の通り......薄汚い血を宿し、こうして生ゴミになるんだ」


 アクロは手のひらをフェイルへと向け、魔力を集中。


「ゴミはゴミらしく、焦げ死ねや」


 雷砲を放とうと魔力が雷へと変化した




 その時



 フェイルがぼそりと呟いた。






「――冥地電雷......解除」


「......あ?」




 ――ドゴォォォンンンッッッ!!!





 幾重もの雷流が天へ翔るように昇った。






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